最新記事

日本社会

ドタバタ続きの「GoToトラベル」 北海道周遊して分かったコロナ禍の観光業の今

2020年10月14日(水)17時00分
八田 裕之(週末旅行家) *東洋経済オンラインからの転載

人けのない北海道の小さな町。GoToキャンペーンで客足がある程度回復したという宿泊施設関係者は多かった(筆者撮影)

<批判も多い一方、助かっている宿泊・飲食施設も多い>

7月から始まった、政府による観光支援策「GoToトラベル」キャンペーン。鉄道事業者は補助金を活用した安価なきっぷを発売、NEXCO(高速道路)でもETC割引などで旅行需要の喚起を促している。

今年はコロナ禍により、Jリーグも少なくとも9月末までアウェイ席を設置しないこととなった(私はジェフ千葉を応援しており、例年アウェイ試合に出かける)。そこで9月に遅い夏季休暇を取得し、十分感染対策を行ったうえで旅に出ようと思い立った。一人旅なら道中で人と会話することも少ない。今回は8日間かけて北海道を巡ることにした。

このキャンペーンは当初8月以降に開始予定であったが、7月22日に前倒ししたこともあり、コロナ禍の収束が見えない中で批判の声も多かった。今回は都会や繁華街は避け、なるべく人の少ないエリアをまわる、という方針で出かけた。そのため印象に偏りはあるが、飲食店や宿泊施設の声を聞くに、キャンペーンは一定の効果があると実感した。

「GoTo」どう使えばいい?

GoToトラベルキャンペーンとは、観光庁サイトによると


・国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の2分の1相当を支援
・給付額のうち、7割は旅行代金の割引、3割は旅先で使える地域共通クーポンとして付与
・1人1泊当たり2万円が上限、連泊や利用回数の制限はない。

とある。しかし利用者としては使い方がわかりにくいのが事実だ。列車や飛行機を自身で購入したものは対象外、個人で予約した宿から宿泊証明書をもらって事後申請する場合は、8月31日(9月1日チェックアウト)までが対象で、すでに終了している。

結局は楽天トラベルやじゃらんといった宿泊サイト、JTBや日本旅行などの旅行代理店から申し込むのが楽だ。自身で手続きをせずとも自動的に適用される。実際、今回自らGoTo適用プランを実施していた宿泊施設はほぼなく、宿泊証明書は出したものの、大半が宿泊サイトからの予約だったと聞いた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 9
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 10
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中