K-POPも韓流ドラマも実は世界で売れていない? 韓国のコンテンツビジネス、ダントツの稼ぎ頭は......
稼ぎ頭のゲームに陰り?
しかしながら、今好調のゲームコンテンツの今後に警笛を鳴らす声もある。この「コンテンツ産業動向分析報告書」によると、ゲームコンテンツ輸出額は、2010年から2017年まで毎年平均して20%ほど成長してきた。ところが、2018年は8.1%(64億1100万ドル)にとどまっている。今回発表された2019年度では、一部回復したものの前年比15.1%の成長で、好調のように見えるが、これまでの平均と比較すると低い数字であり、その伸び率は期待ほどではなかったようだ。
その一方、ゲーム輸入額の増加スピードは速く、2017年(2億6300万ドル)から2018年(3億ドル)と、年平均増加率は16.6%を記録した。つまり、単純に金額だけでなく増減率で見れば輸入額の伸び率も相当であり、これから長い目で見れば韓国国内市場を外国製ゲームが席捲する心配がある。
韓国内では外国製ゲームがヒット
韓国でオンラインゲームと言えば「PCバン(PC방)」と呼ばれるネットカフェでずらりと並んだパソコンに向かうゲーマーたちが思い浮かぶ。PCバン専門リサーチ会社ゲームトリックによると、6月第4週週間の総合ゲーム順位1~10位には韓国のオンラインゲームが5作品ランクインしていたが、ランキング1位は通称LoLで有名な『リーグ・オブ・レジェド』だった。
なんとPCバンのゲーマー全体の47.5%の人がリーグ・オブ・レジェドをプレイしている結果だったという。このゲームはアメリカ発で現在は中国のテンセント社に買収された「ライアットゲームズ」社のものだ。10位までにランクインした韓国ゲーム5作のシェア率を足してもこの数字には追い付かない。
また、任天堂スィッチが即完売となり、韓国でも社会現象となったが、韓国ではプレイステーションやニンテンドーのようにゲーム機自体の開発がほとんどされていないことも、将来的に輸出額の向上の足かせとなるのではないかと言われている。
とはいえ、これからはジャンルを超えたワンソースマルチユース時代である。1つのジャンルがヒットすれば、おのずと他のジャンルのコンテンツにも影響が波及し輸出額が伸びる。韓国のゲームコンテンツにも注目しつつ、それによって発展する他のジャンルやカルチャーにこれからも期待したい。