世界経済、コロナショックで20年は3%縮小 「1930年代の大恐慌以来の悪化」=IMF
先進国に深刻な被害
IMFのデータによると世界経済は09年に0.1%縮小した。1930年代以来の大幅な落ち込みだった。新型ウイルス感染が拡大する前の今年1月、IMFは20年に世界経済が3.3%増加するとの見通しを示していた。米中貿易摩擦が和らいでいる点を挙げ、21年も3.4%増の見通しだった。
現在感染拡大が最も深刻な先進国は、経済活動の急停滞の打撃が出てくる。IMFの最善シナリオでも、米経済は20年に5.9%減少。21年は4.7%増に回復するという。
ユーロ圏経済は20年に7.5%減。被害が最も大きいイタリアでは9.1%減。スペインとドイツ、フランスは8.0%と7.0%、7.2%それぞれ減少する。ユーロ圏全体の成長は21年に4.7%増と、米国の伸び率と一致する見通しだ。
新型ウイルスの感染拡大が第1・四半期にピークを付け、大規模な財政・金融政策によって経済活動が再開している中国は、20年に1.2%増となる見込み。1月の予測の6%増から大幅な下方改定となる。21年は9.2%増の見通し。
インドの成長率もプラス圏を維持する。一方、依然として感染拡大が伸びている中南米は20年に5.2%減となる見込みだ。
IMFは中銀によるスワップ協定を通じた流動性供給を、より多くの新興国に提供するように提唱。資金が米国債など比較的安全とされる資産に流れているため、新興国は封鎖措置に加え、金融逼迫の打撃も受けている。
またIMFは、国によって一時的に資本流出を制限する必要がある可能性にも言及した。
ゴピナート氏は、新型ウイルス感染拡大への対応で多くの国の債務が膨らんでいると指摘。ただ「金利が極めて低い水準にある限り、 われわれが予想している回復は実現し、回復により債務水準は次第に低下していく」とし、公的債務の対国内総生産(GDP)比率は来年は安定化し始めるとの見方を示した。
*内容を追加しました。
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