コロナ危機が中小企業にとってはるかに致命的な4つの理由
SMALL BUSINESS RISK
4つ目は仕事に行くことが健康リスクになること。金融危機の際も小規模事業の経営者たちは生活が懸かってはいた。それでも命懸けというわけではなかった。店に向かうたびに、ウイルスに感染するリスクを心配する必要はなかった。
近年にない危機に直面して、小規模事業の経営者は経営だけでなく、自分と愛する人々や従業員の健康維持にも神経をすり減らしている。周囲と同じく各種の制限を守らなければならないが、在宅勤務でいいと言ってくれる上司がいるわけではない。傷病休暇や有給休暇もない。
起業家にとっては過酷な時期だ。終わりが見えないところは2008年そっくりだ。当時、危機がどの程度長引き、経済低迷がいつまで続くのか、臆測が飛び交った。今回もいつ終息し、人命と経済への影響はどこまで深刻化するのか、誰にも分からない。
リーマン・ショックとの共通点はもう1つある。経営者はどんなに大変でも状況に適応する努力をし、ためらわず顧客に支援を求めるべきだ。
フランチェスコとマヌエラは、テイクアウトの注文やギフト券の購入による支援を呼び掛けている。消費を呼び込むことしか新型コロナショックを乗り切るカギはない。
<2020年4月7日号「コロナ危機後の世界経済」特集より>
2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。