温暖化阻止の取り組みは肉食メニュー排除で? ダボス会議に問われる本気度
気候変動への抗議
WEFはここ数年、ダボス会議を環境に優しいものに変えていく動きを強めており、2020年の会議テーマとして「持続可能性」を選択した。
WEF関係者は、4年連続で、航空機での移動も含めた温室効果ガス排出量を100%オフセット(相殺)するなど、さまざまな取り組みを通じて、4日間にわたる会議の環境負荷はゼロになるだろうと述べている。
こうしたオフセットは、アマゾン熱帯雨林での持続可能性プロジェクト、中国、マリ、インド、南アフリカへの高効率調理用コンロ普及、地元農場でのバイオガス生産などへの投資によって実現されている。
WEFの広報担当者オリバー・キャン氏は、ダボス会議で公式に用いられる車両の90%はハイブリッド車または電気自動車になっており、今年は食品廃棄を測定する手段としてAIを試し、ほとんどの食品は地元で調達すると話していた。
あいかわらずプライベートジェットでの来場は続いているが、今年はチューリヒ空港で合成燃料と従来のジェット燃料を混ぜた低炭素燃料が販売されている。
「リーダーシップを見せることに尽きる」とキャン氏は言う。
だが、気候の非常事態を宣言する国や都市が増加し、活動家が街頭デモに繰り出すなかで、政治・ビジネスのリーダーたちにとって、この問題はますます切迫感を増している。
21日にWEFが発表したグローバル規模の世論調査によれば、30カ国約1万500人の回答者のうち、3分の2以上が、地球温暖化は人間活動が原因であると考えている。
17歳のグレタ・トゥーンベリさんは21日、席を埋め尽くした聴衆に向かい、1年前の自身の発言を繰り返して、「私たちの家はまだ燃え続けている」と語った。「あなたたちが行動しないことが火に油を注いでいる」
ダボスの中心街では、2日間のトレッキングを経てスキーリゾートにたどり着いた小規模な抗議グループが、気候変動対策の不足を批判している。
オルテン(スイス)から来た学生のマリラさん(19歳)は、フルネームを明かすことは拒否しつつ、トムソン・ロイター財団に対し「これは私たちが今日直面する最も重要な問題だ」と語った。
「何も手を打たなければ、人類は滅びるだろう」
2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。
17歳のグレタ・トゥーンベリさんは21日、席を埋め尽くした聴衆に向かい、1年前の自身の発言を繰り返して、「私たちの家はまだ燃え続けている」と語った。「あなたたちが行動しないことが火に油を注いでいる」
ダボスの中心街では、2日間のトレッキングを経てスキーリゾートにたどり着いた小規模な抗議グループが、気候変動対策の不足を批判している。
オルテン(スイス)から来た学生のマリラさん(19歳)は、フルネームを明かすことは拒否しつつ、トムソン・ロイター財団に対し「これは私たちが今日直面する最も重要な問題だ」と語った。
「何も手を打たなければ、人類は滅びるだろう」