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混迷の英「ブレグジット」総選挙、予測はAIで 世論調査頼みを見直し

2019年12月9日(月)15時45分

「荒稼ぎ」の可能性も

英国では小選挙区制のおかげで議席予想が困難になっている。つまり、合わせて650ある選挙区でそれぞれ最多得票となった候補者が議席を獲得する。この仕組みだと、国全体での得票率という尺度が役に立たない可能性がある。

世論調査では保守党が約10ポイント優位に立っているが、BNPパリバは、2017年の選挙戦の同じ時点では保守党のリードはもっと大きかったが、投票当日にはほとんど差がなくなってしまったことを指摘する。

世論調査会社ユーガブが作成したモデルによれば、今回の選挙で保守党は359議席を確保する勢いだが、増減ともに50議席の誤差があるとされている。この誤差の行方は、保守党が過半数となるか与野党伯仲になるか、つまりブレグジットが実現するか中止となるかを左右する大きな意味を持つ。

アビバ・インベスターズでマルチアセット担当の最高投資責任者ピーター・フィッツジェラルド氏は、「英国の選挙は独特で、世論調査があまり参考にならない」と語る。

マクロ系ヘッジファンド、ハイダー・キャピタル・マネジメントで最高投資責任者を務めるサイード・ハイダー氏は、世論調査よりもブックメーカーが提示するオッズの方が正確な予測になると話している。

同氏は、ニュース報道や世論調査の結果を追うだけでなく、ブックメーカーのオッズを利用することにより、ブレグジット国民投票の結果を正確に予想し、それに基づいた関連投資で「荒稼ぎした」と言う。

実際、複数の選挙における結果予測においては、ベットフェアなどのブックメーカーの方が優れた実績を見せている。ケンブリッジ大学が行ったある調査では、ギャンブル関係者は金融市場よりも何時間も前にブレグジット国民投票の結果を読み切っていたとされている。

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