最新記事

映画

韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からスタッフが消えた

2019年10月15日(火)18時20分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)


チケットの予約から売店でのポップコーンなどの購入、ポイントの管理までスマホアプリで完結するCGV CGV / YouTube


増税がなくても上昇する映画料金

政府の努力もあり、韓国映画界は大きく発展し続けてきた。しかし、一方では映画館御観覧料金の値上げは止まらず映画ファン達からは批判の声が上がっている。2000年前半までは6000~6500ウォン前後だった。それが現在では平均で約10000ウォン前後だ。この10年間で韓国の映画料金は平均価格約35%もアップしたと言われている。全体的に年間映画観客動員数は上昇しているものの、昔に比べ規模の大きな映画が作られるようになり、映画1本に対する製作費が年々上がって行く。また、社会全体の物価や人件費も急速に上がっているため、観覧料金も値上げするしかないのだろう。

値段が上がっていく対処法として、韓国では複雑ともとれる細かな料金設定を設けている。早朝や深夜上映は割引設定に、週末は通常より1000ウォン高い場合が多い。なかでも、最も複雑な価格設定を設けているのは、韓国最大手シネコンチェーンのCGVだ。

上映開始時間によって1000~3000ウォンの差額があるのだが、それに輪をかけて、座席の位置によってさらに1000~2000ウォンの違いが出てくる。座席は、Prime Zone/Standard Zone/Economy Zoneの3種類に分かれていて、チケット購入時に選べる仕組みだ。成人が一般2Dの料金設定で一番安価に映画を観たいなら、「平日の朝6時~10時までのモーニング時間に、エコノミーゾーン席で見た場合」は6000ウォン。逆に高額なチケットでは「金曜から日曜の週末料金で、朝10時から夜中24時までの間に上映される映画をプライムゾーン席で見た場合」は12000ウォンである。

全く同じ映画でも見る座席、日時で2倍の価格差が出る。導入当初はわかりにくさから反発の声も上がったが、今では選択肢が増えたことは良いことだと受け入れられつつある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米3月雇用22.8万人増で予想上回る、失業率4.2

ビジネス

米国株式市場・寄り付き=ダウ1000ドル超安 中国

ビジネス

6月までFRB金利据え置きの観測高まる、予想上回る

ワールド

トランプ氏、政策変えずと表明 「金持ちになれる絶好
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 3
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 4
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 5
    大使館にも門前払いされ、一時は物乞いに...ロシア軍…
  • 6
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    地球の自転で発電する方法が実証される──「究極のク…
  • 9
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中