年会費や延滞手数料なしの「アップルカード」 ゴールドマン・サックス参加の狙いは?
ソロモン氏のメールによると、マーカスの預金は現在、英米合わせて450億ドル、個人向けローンは50億ドルに達する。
ゴールドマン全体のバランスシートに比べれば個人向けローンは小さいが、消費者向け事業は預金獲得にとどめてほしいというのが投資家の願いだ、とホーケン氏は説明。「人々は、ゴールドマンにはゴールドマンのままでいてほしい」という。
ストーンキャッスル・ファイナンシャル・コープのジョシュ・シーゲルCEOは、アップルカードの金利幅が広いことに触れ、信用度が低い顧客も一部受け入れる可能性があると指摘する。ただ、その信用リスクは必ずしも帳簿に乗せず、証券化するかもしれない。ゴールドマンが突然、無担保の消費者向け与信に突き進むなど、想像できない。今の信用サイクルを考えるとなおさらだ」
信用リスクはさておき、ゴールドマンが世界最大級の企業と提携してクレジットカードを発行することは、消費者市場でシェアを広げるチャンスだとアナリストは見ている。
アップルはウェブサイトに、カードは「銀行ではなくアップルがつくる」と記しているが、カードの裏側にはゴールドマンのロゴが記載される。
オートノマス・リサーチのパートナー、レックス・ソコリン氏は「ゴールドマンにとって、これは自らをねじ曲げ過ぎずに大衆に広がる戦略だ」と話した。
ゴールドマンはこの記事についてコメントを控えた。
(Elizabeth Dilts記者 Anna Irrera記者)
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