モーリーが期待する〈新EV時代〉の到来〜新型「日産リーフ」特別対談〜
日産自動車 日本EV事業部 部長の小塚功子氏とモーリー・ローバートソン氏
PR
日産自動車 日本EV事業部 部長の小塚功子氏とモーリー・ローバートソン氏
<日産自動車が2010年、世界初の量産型電気自動車(EV)として売り出した初代「日産リーフ」。それから7年、「脱石油」EVシフトが世界的な潮流になりつつあるこの時期に、先代より大幅に改良されデザインも一新した新型「日産リーフ」が登場。ニューズウィーク日本版は今回、ジャーナリスト、DJ、ミュージシャンと幅広い活動を展開するモーリー・ロバートソン氏と、日産自動車 日本EV事業部 部長の小塚功子氏の対談を企画した>
世界的なEV移行の流れと、変わらぬ〈価値〉
――欧州や中国を筆頭に、環境対策として「脱石油」と電気自動車シフトが世界的な潮流になりつつあります。モーリーさんはこうしたEVを取り巻く世界の状況をどのようにご覧になっていますか。
モーリー・ロバートソン氏(以下、モーリー) 世界の自動車をめぐる状況は、電気自動車をはじめとする脱・石油燃料の流れと、自動車メーカーだけでなくIT企業も加わった自動運転車への流れ、この2つによって大きな"世代交代"の時期を迎えている印象です。一方で、たとえば1969年公開のアメリカ映画『イージー・ライダー』で世界中の若者が感じたように、車やオートバイで〈移動すること〉のロマン、魅力のようなものは、今も変わらない価値として残っていると思います。つまり、技術の進歩によってより安全に、より快適に、そしてより環境に優しい方向に進みながらも、〈移動すること〉の楽しさを若い世代にどう伝えていくか、ということがカギになる気がします。
小塚功子氏(以下、小塚) 日産自動車が目指す2つの大きな目標は、事故がないことと、ゼロ・エミッション(CO2排出ゼロ)。それを実現する技術は何だろうかということで取り組んだのが電気自動車であり、2010年に世界初の量産型電気自動車として売り出した初代日産リーフでした。そして、第2世代となる今回の新型日産リーフには、事故を防ぐこととゼロ・エミッションのための技術を詰め込みました。とはいえ、モーリーさんがおっしゃるように、車の楽しさ、移動することで生まれる喜びや感動をお客様、特に若者へアピールしていくことも確かに大切。たとえば、自動運転機能を使うことによって、車の中で楽しく過ごせる時間が増えるということへの理解を広めていきたいですね。新型日産リーフに搭載している高速道路での同一車線自動運転技術「プロパイロット」※だと、長時間の巡航時や渋滞時にアクセル・ハンドル・ブレーキを自動で制御してくれて、長時間のドライブでもストレスを軽減できるので、運転中や目的地でのアクティビティもより楽しめます。
(※プロパイロット......先行車を検出して車速に応じた車間距離を保って走行し、先行車が停止すると自車も停止する「インテリジェントクルーズコントロール」と、車線中央付近を走行するようステアリングを制御する「ハンドル支援」で構成される先進の運転支援システム)
未来を先取りした初代日産リーフ
――今の世界的なEV移行の流れを先取りした格好の初代日産リーフですが、開発時のこだわりや、先駆者ゆえのご苦労などがありましたらお聞かせください。
小塚 まずこだわったのは、バッテリーの品質です。バッテリーに由来する事故が決して起こらないように品質管理を徹底しました。また、量産型EVという市場に参入したのが当時は一社だけだったので、苦労したのはインフラの整備。戸建てにはもちろん充電設備をつけられますが、オーナーの皆さんの行く先々にも充電ステーションを整備していく必要があります。お客様の利便性を確保し、不安をなくすのが一番苦労したところですね。