持続可能な食料生産に向けて、農業をイノベーションする
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土壌、農地、大気の測量に、データサイエンスを適用
――バイオテクノロジーに加えて、データサイエンスの活用により農業が最先端の産業に変貌しつつあるという印象を受けます。具体的にどんなデータを扱い、生産に活用しているのでしょうか?
ガオ氏:土壌、農地、大気という3つの要素の測量に、データサイエンスを適用しています。目指すのは、農場におけるすべての条件と行動を、デジタルサイエンスでデータにつなげていくこと。もう少し具体的に言うなら、農地、品種、肥料や農薬などあらゆる投入物、気象気候、それらをデータで表し、すべてをつなげて、最終的には1つのツールとして生産者が農場における意思決定を賢く下せるようにすることで、農業経営の最適化を実現していくというものです。より多くのデータを収集することで、収穫可能性を一層正確に予測できるようになり、こうした見識を提供することによって作業の効率化と生産性向上、間接的にはエネルギー抑制によるCO2削減にも貢献できるでしょう。
――2016年9月に独バイエルによるモンサントの買収計画が発表され、各国での承認が得られれば2017年中に手続きが完了するとうかがいました。両社の提携でどのようなメリットが生まれると予想していますか?
ガオ氏:両社が統合するためには、世界各国の規制当局の承認が必要であり、現在はそれを待っている状況ですが、12月末までには決着したいと考えています。実現した場合は、年間約27億ドルの研究開発予算を持つ世界トップクラスの農業イノベーションのリーダーになると見込まれます。モンサントがすでに種子開発や、データサイエンス等で業界リーダーになっている一方、バイエルは農薬でリーダーシップを確立しています。重複する分野が少なく、互いに補完できる点もメリットであり、相乗効果が生まれると期待しています。リーダーとして積極的に研究開発を進めていくことは業界全体の活性化につながり、生産者にはよりよいツールが提供され、ひいては消費者に利益がもたらされることでしょう。
日本をはじめ世界の食卓を支えているモンサントの農業テクノロジー。これから食料需要の増加、温暖化などの課題、問題が予想されるなか、世界の人口を支える食料を安定的に供給するために、モンサントによるイノベーションの推進にますます期待が高まる。