日本製武器の世界での競争力は
今年5月、横浜で日本初の「防衛見本市」が開催された。日本でこのような展示会が催されることは大きな進歩だが、日本の企業や政府機関のブースには銃やミサイルなど「あからさまに」殺傷能力がある装備は展示されず、軍事産業に対する日本人の心情を物語っていた。
日本政府がインドやオーストラリアに対し、救難飛行艇US?2のセールスに熱心だったのもそのためだろう。「非軍事装備」の販売として国民の支持を得やすかったからだ。
それでは今後、日本はどこへ向かっていくのか。笹川平和財団のホーナングは、弾道ミサイル防衛システムに使われるミサイル追跡センサーなど、ニッチ市場を狙った小規模な装備の輸出に焦点が置かれるだろうとみる。防衛装備庁が輸出や他国との共同開発において調整機関の役割を果たすことも期待される。
武器輸出に関する政策転換がどれだけ早く実行に移されるかは、政治的な意思に左右される可能性が高い。つまり、中国や北朝鮮の「武力による威嚇」がどこまで現実味を帯びるかに懸かっている。だが日本の防衛産業が直面する大きな壁を考えれば、変化はゆっくりと慎重に進んでいくだろう。
From thediplomat.com
[2015年10月27日号掲載]