最新記事

ドイツ

「VWは変わらず素晴らしい」「問題すぐに忘れられる」、メイド・イン・ドイツを神聖視する独国民の意識とは?

コンプライアンスの問題と製品の品質をすり替えて語るご都合主義

2015年10月20日(火)12時23分

10月19日、民間調査によると、ドイツ人の3分の2がフォルクスワーゲンが依然「傑出した」車を製造していると回答した。写真はニューヨークの同社販売店で9月撮影(2015年 ロイター/Shannon Stapleton)

 市場調査会社プロフェットが19日発表したアンケート結果によると、ドイツ人の3分の2が自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のイメージは排ガス規制逃れ問題で傷ついたものの、依然「傑出した」車を製造していると回答した。

 オンラインで1000人を対象に調査を実施した。

 65%の回答者が、問題が大きく取り上げられているとの見方に「完全に」あるいは「おおかた」同意し、VWは変わらず素晴らしい車を造っているとした。

 10人中6人が、排ガス不正により長期的に「メイド・イン・ドイツ」というステータスに傷がつくことはないとの意見だった。63%は問題がすぐに忘れられるだろうと考えていた。

 ドイツ工業技術は卓越した存在で信頼できるとする評判に依存している他の企業にとっては、VWの問題が痛手になると懸念を示す回答者もいた。

 VWは先月、米国の排ガス規制を逃れるため不正を行っていたことが判明。同社の歴史上最大級のスキャンダルとなり、マルティン・ウィンターコルン前最高経営責任者(CEO)は引責辞任した。

 ドイツでは75万人以上の雇用が自動車業界によって創出されており、メルケル首相をはじめドイツの政治家や当局者は業界を擁護する姿勢を示している。

[19日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中が24日会合、貿易摩擦緩和目指し=トランプ氏

ビジネス

米3月耐久財受注9.2%増、予想上回る 民間航空機

ワールド

トランプ氏、ロのキーウ攻撃を非難 「ウラジミール、

ビジネス

米関税措置、独経済にも重大リスク=独連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 5
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 8
    謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止め…
  • 9
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中