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日本から世界へ広がる「リアル脱出ゲーム」とは何か

2015年6月3日(水)11時35分
スチュアート・ミラー

社員研修や宣伝の場にも

 今年から来年にかけては、脱出ゲーム業界が急成長する時期になるだろう。パーカーによれば、顧客のかなりの割合を占めているのが、楽しみながらできる社員研修を模索している企業だ。「チームワークを要求されるこのゲームを通して、成功に近道はないこと、時にはリスクを取る必要があること、過程を大切にすることを学べる」

 また、今後はスポンサー企業付きの脱出ゲームがますます増加するだろうとスピラはみている。ファンとの関係を強化し、新たな信奉者を獲得したい企業にとっては最適なプロモーションの場だろう。既にミッション・エスケープは、ドリームワークス・アニメーションとコラボし、CGコメディーアニメの『ザ・ペンギンズfromマダガスカル』をテーマにした脱出ゲームなどを開催している。

 さらに、博物館や遺跡での教育ツールとしても活用できると、シラキュース大学のニコルソンは考えている。彼が現在手掛けているのが、ニューヨーク州のフォート・スタンウィックス国定公園をテーマにした脱出ゲーム。アメリカ独立戦争時代の軍隊の暗号で謎解きをしながら、この要塞の歴史を学ぶ仕組みだ。

 残り17分というところで、スピラのチームはついに脱出に成功した。運営側と共に総括をした後、打ち上げへ。そこでも彼らはいろいろな話で盛り上がるものの、常に脱出ゲームの話題からは抜け出せない。今後フロエリックはダブリンで行われるゲームに、リズナックはローマの会場に参加予定だという。

 店の外で解散、というときも、カシチオはついつい路上の番地表示に目を留めてしまう。「このゲームをしていると、そこら中の数字や配列が気になってしょうがない」と彼は言う。「何でもヒントになるかもって考えるようになっちゃうからね」

[2015年5月26日号掲載]

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