偽アップルウオッチが占う中国での本物人気
発売前に早くも偽物が登場したが、コピー天国・中国には意外なジンクスも
幸先良し? 偽物が登場するのは人気製品の証し Robert Galbraith-Reuters
アップルウオッチ・クローンの襲撃だ。アップルが4月24日に発売する腕時計型ウエアラブル端末「アップルウオッチ」をお披露目してから24時間もたたないうちに、中国のサイトはコピー商品であふれ返った。
中国の電子商取引最大手アリババ・グループのサイト「淘宝(タオパオ)網(ワン)」にも、本物そっくりの腕時計型端末が並ぶ。「Dウオッチ」「GT08」「LQ03インテリジェント・ウエアラブル・ブレスレット」のほか「iウオッチ」まである。
価格は本物の349〜1万7000ドルに対し、コピー商品は100ドルを大きく下回り、安いものは30ドルで手に入る。見た目はほぼ同じで、時計の竜頭でズームやアプリの操作に使う「デジタルクラウン」も付いている。
一方で、コピー商品はOSにアンドロイドを搭載し、多くはiOS機器ともアンドロイド機器とも互換性がある。タッチスクリーンではない廉価版もあれば、ブルートゥースや携帯電話の接続端子、ヘッドホンの差し込み口など機能満載の商品も。インスタントメッセンジャーでチャットができるものもある。
もっともこれらは、中国市場では「偽物アップル製品の最新版」にすぎない。iPodの人気が高まったときもコピー商品が次々に登場し、包装まで本物そっくりだった。iPhone6は昨年9月の発売前に、流出した情報を基にコピー商品が出回った。
コピーのスペシャリスト
中国市場に早くもアップルウオッチのコピー商品があふれていることは、アップルにとって良い兆しでもある。コピー商品の人気は売り上げを落ち込ませるよりむしろ、新製品の需要を予測する有力な目安となるのだ。実際、iPhone6が正式に発売されると、それまで出回っていたコピー商品に代わって本物が爆発的に売れた。
眼鏡型端末のグーグルグラスや、サムスンの腕時計型端末ギャラクシー・ギアも発売前から話題になり、コピー商品が次々に登場すると思われた。しかし広東省深圳の電気街のある店主は昨年、CNNの取材に次のように語っている。「(ギャラクシー・)ギアの偽物はこの町で見たことがない。本物もあまり売れないね」