自信家の心を燃やすヒーローは「自分」
4つ目の研究もアムステルダム大学の学生を対象としたもの。自信があると評価された学生たちは、他人の体験を文章にしたときよりも、自分の体験を書いたときのほうが大きな達成感を得る傾向があることが分かった。
これら4つの研究は、メタ解析論文の執筆者たちの仮説を支持していると考えられる。
一方で、執筆者たちが慎重に指摘しているように、自信のある人は相手の話を傾聴するより自分がしゃべることが多く、対面でのやりとりで相手の感情にあまり配慮しない傾向もある。自信のある人は他人の感動的な話に冷めた反応をしがちなことも今回の解析で分かった。
これに関連して、1月に発表された別のチームの研究でも興味深い結果が出ている。自信のある人は自分が利益を得るために不正手段を使いがちだが、気弱な人は他者の利益のために不正手段を使うことが多いというのだ。どうやら自分をヒーローにすることは「俺様思考」と紙一重らしい。
[2015年3月 3日号掲載]