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ヨーロッパ経済最強ドイツに忍び寄るユーロ危機の余波
誰より恐れていたギリシャやスペインの財政危機のとばっちりが遂に足を引っ張り始めた
優等生なのに 浮かない表情のメルケル首相(左)とショイブレ財務相 Thomas Peter-Reuters
ドイツの10月の失業率は09年以来3年ぶりに上昇し、6.9%を記録した。9月だけで失業者が2万人も増えた計算になる。
連邦雇用庁のワイゼ長官は「年末に向け、欧州全体の景気後退の影響を免れることはますます困難になる」と語る一方で、「労働市場は依然堅調だ」と強調した。しかしユーロ圏経済は今も深刻な危機に直面している。先週発表のスペインのGDPはマイナス成長。ユーロ加盟各国の財務相は先週、不安定なギリシャの支援問題を話し合った。
フランスのモスコビシ財務相はドイツのショイブレ財務相との会談後の記者会見で、ユーロ圏諸国による「短期債務の共有化」を提案。「債務問題には共同で当たらなくてはならない。この仕組みをつくるには、全加盟国の支持が必要だ」と語った。
フランスは以前から「ユーロ圏共同債」の創設を提唱してきたが、ドイツは他国の債務を肩代わりさせられるのを嫌い、一貫して反対してきた。モスコビシは「ユーロ圏共同債についてはもう検討していない」とも語ったが、短期債務共有化もユーロ加盟17カ国が債務を共同で処理するという点では、共同債とよく似た構想だ。
From GlobalPost.com特約
[2012年11月14日号掲載]