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製造業フォックスコンが対米工場進出?の狙い
アップルの噂の液晶テレビはiPhoneを生産しているフォックスコンがアメリカで作ることになるかもしれない
労働集約型 iPhoneやiPadをアメリカで作るのは難しそうだが(中国・広東省の工場) Bobby Yip-Reuters
世界で販売されるiPhoneの大部分を生産している台湾系電子製品メーカー、富士康(フォックスコン)がアメリカに工場を開くのではないか? そんな噂が出ている。
業界ニュースサイト、Digiタイムズに複数の「市場ウォッチャー」が語ったところでは、フォックスコンは現在、デトロイトやロサンゼルスなどで候補地を探している。同社はアメリカの工場で、iPadやiPhoneほど労働集約型でない液晶テレビの組み立てを行うという話だ。
現時点で、これらはすべて未確認の情報だ。アップルはまだ液晶テレビを販売してもいない。ただし、そのうち販売するだろうという予測は何カ月も前から出ている(情報サイトのアップルインサイダーによると、今年のクリスマスまでには店舗に並ぶとみられている)。
今週はDigiタイムズの記事とともに、フォックスコンの中国工場――劣悪な労働環境でたびたび話題になる工場だ――からも気になる動きがあった。実際の製造現場を見てもらうため、アメリカから技術者数十人を招くというのだ。とりわけ、生産ラインの自動化について学んでもらいたいという。アメリカ進出へ向けた布石らしい。
AP通信によれば、フォックスコンの郭台銘(クオ・タイミン)会長はこう語っている。「バラク・オバマ大統領が製造ラインをアメリカに戻そうとしても無理だろう。アメリカはあまりに長い間、海外委託生産に頼ってきたからだ」
専門家も、中国より労働者の賃金が高いアメリカに製造ラインを戻す上では自動化がカギになると語っている。
経済誌フォーブスの記事でバイズー・チェンは、今日のコスト構造を考えたら昔ながらの組み立てラインは合理的でない、と指摘している。しかしコンピュータのデータから立体を作り上げる3Dプリンティングのような新技術は製造を「分散させ」、アメリカでも高い生産性を実現することができる。
フォックスコンの郭は今週、アップルの新しいiPhone5の需要が好調で生産が追いついていない、とも述べた。iPhone5はこれまでになく複雑な製品で、組み立てが難しいという。しかし、受注の一部を外部委託する計画があるかどうかは発言を差し控えている。
From GlobalPost.com特約