ゾンビと化した落日のヤフー
3年前の致命的な間違い
経営陣にとって分かりやすい解決策は、有能なデジタル革命家を次のCEOに据えることだ。しかしスティーブ・ジョブズ並みのCEOを見つけてきても、ヤフーの苦難は続くだろう。
並外れた人気と収益性を誇るウェブ製品を構築することは実に難しい。1回成功した企業は多少はあるが、2回成功した企業は思い当たらない。
グーグルには魅力的なサイトもたくさんあるが、検索エンジンに匹敵するものはない。検索機能が停止すれば舵を失ったサイトの寄せ集めにすぎない(つまりヤフーと変わらない)。
08年にマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、ヤフーに敵対的買収を仕掛けた。提示額の440億ドルは、当時の時価総額の62%増し。だがヤフーは応じなかった。
マイクロソフトがヤフーの安住の地となったかどうかは分からないが、携帯サイトなどで戦略的な好機が訪れたかもしれない。マイクロソフトを通じて優秀なエンジニアを雇い、投資家を説得して新規計画に取り組む余裕も生まれただろう。
今となっては、マイクロソフトの申し出を蹴ったのが致命的な間違いだったという思いが募る。現在のヤフーには、バルマーが提示した価値の約3分の1しかない。かつての栄光を取り戻せるとは到底、思えない。
© 2011 WashingtonPost.Newsweek Interactive Co. LLC
[2011年9月21日号掲載]