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フェースブックと中国ファンドの相思相愛

2011年8月2日(火)21時01分
マイケル・モラン

 これまでは、中国とフェースブックの戦略的なパートナーシップが締結されたという憶測は事実無根だった。だがもし中国の政府系ファンドからフェースブックへの投資が実現すれば、グーグルが近づけない中国市場の扉が、フェースブックには開かれていることを示唆している。

 当局が認めていないサイトの閲覧を不可能にするネット検閲ソフト「グレート・ファイヤー・ウォール」のおかげで、中国国内のフェースブックの存在はまだ小さい。だが、それでも今年1月に10万人だったユーザー数は、すでに70万人に達している。

 ザッカーバーグの百度訪問と、中東革命におけるフェースブックの評判に刺激されて、中国の一部のネットユーザーはグレート・ファイヤー・ウォールを飛び越えたようだ。彼らの武器は、当局といたちごっこを勝ち抜くために西側の非営利団体が提供してくれたネット検閲回避ツール、VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)だ。

 もちろん、4億5000万人のネットユーザーを擁する中国では、まだ小さな動きにすぎない。それでも、フェースブックの快進撃は止まりそうにない。7億人に達したユーザー数はアジアと中東を中心にさらに増えており、フェースブックの「コミュニティ」は、グローバル資本主義が生み出したどんなネットワークをも凌駕している。

 最大のライバル、グーグルがSNSの世界で反撃に打って出ようとする中、フェースブックは13億の中国人を取り込むためにどこまで譲歩するつもりだろうか。現時点ではその答えは誰にもわからないが、確かなことが1つある。ネット上で本音を語る厄介なユーザーの身元を確実に突き止める方法を把握しない限り、SNSの暴走に不安を募らせる中国当局が、フェースブックへのアクセス制限を解除することはない、ということだ。

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