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タイの「激烈」栄養ドリンクがやってくる

2010年9月16日(木)18時28分
パトリック・ウィン

派手なパーティー前にも1本?

 タイでレッド・ブル愛好家を寝返らせることに成功したオソサパ社は、レッド・ブルが優勢なアメリカ市場に進出したが、認知度はまだ低い。タイの栄養ドリンクは大抵、非炭酸で小さな容器に入っているが、アメリカ人は大きなボトルに入った炭酸の栄養ドリンクに慣れている。「アメリカ人は大きいのが好きだ」と、オソサパ社のソーンソーン・ケングビブル社長は言う。「彼らはソーダを飲むように、栄養ドリンクを飲む。特別な飲み物だとは考えていない」

 アジア人は栄養ドリンクに眠気覚ましや体力増強などの機能面を求めており、農家やトラック運転手、肉体労働者が主な購入者だと、ソーンソーンは言う。一方、アメリカでは「パーティーで盛り上がりたい若者にエネルギーを注入する楽しいドリンク」という位置づけだ。

 それでも、アメリカ進出によって、オソサパ社のタイ国外での収益は従来の5倍の2億9200万ドルに増加する見込みだ。同社は2014年までに、M-150を東南アジアで販売本数1位、世界で3位以内の栄養ドリンクにしたいと考えている。

 実際、M-150の売り上げを伸ばすには外国進出しかない。かつてのレッド・ブルと同じく、タイ国内での需要はもう飽和状態だ。「1日4本飲んだら気分が悪くなる」と、ビチトは言う。「心臓が高鳴って、手が震える。でも1本なら最高さ。これなしじゃ働けない」

GlobalPost.com特約)

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