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アメリカ経済

さらに大き過ぎて潰せなくなる銀行

2010年6月28日(月)17時22分
マイケル・ハーシュ(ビジネス担当)

 匿名を条件に取材に応じたFRB(連邦準備理事会)の元幹部も同じ意見だ。「経営危機に陥った金融機関を閉鎖させることがこれまで以上に難しくなる」

 この元FRB幹部が期待するのは、巨大金融機関が巨額の損失を抱えるリスクを減らすために、十分な資本規制と借り入れ規制が導入されること。しかし、具体的な基準の決定は未来の規制担当者に委ねられる。これまでの規制担当者が金融機関のロビー活動に大きく影響を受けてきたことを考えると、大きな期待は持てそうにない。

 法案の意図はともかく、マーケットは一部の大手金融機関に関して「政府が後ろについているので安心」というイメージを抱く。これらの巨大金融機関は金融システムに欠かせない一部と見なされて、将来大きな危機が起きたときに、政府に救済される可能性が高くなる。今回の金融規制改革法案を大恐慌以来の大改革などと呼ぶのは、やめたほうがいい。

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