業績回復で「オバマへの献金やめた」?
だが少なくとも、彼らが理解する唯一の言語である「カネ」で対価を支払うぐらいの礼はあると思った。だが10月19日付けのニューヨーク・タイムズ紙によれば、バラク・オバマ大統領がニューヨークで(要するにウォール街の目と鼻の先で)政治資金集めのパーティーを開くにあたって、公的資金の注入を受けた大手金融機関の反応は冷淡で、献金には及び腰だという。
それだけではない。ウォール街から民主党への献金も、民主党が多数派を占める連邦議会とオバマ政権が金融機関を救済した後、減っているという。
民主党は、金融機関が儲け続けるために納税者が損をしなくてはならない構図を解消し、運用リスクを軽減するための規制強化を検討している。ウォール街は、それが気に入らないのだろう。オバマにも、もうエサはやらないというわけだ。
規制強化のしっぺ返しが待つ?
個人的には、ウォール街は計算違いをしていると思う。彼らはついに、おのれの強欲さのために身を滅ぼすかもしれない。
顧客からカネを搾り取り、世界経済をぶち壊したからではない。ゲームのルールを決める人々への献金をやめたからだ。せっかくカネを工面してやったのに、金融機関は献金を止めるという。政治家にしてみれば、これで晴れて自分の信条に立ち返れるというものだ。
だから、オバマの資金集めパーティー(会費は一人1万5000ドル)でも、重要なのは会場に向かう姿がテレビに映し出された金融関係者ではない。パーティーに出席すらしない連中のほうだ。彼らが来ないおかげで、大統領や議会は本来あるべき積極姿勢で金融規制改革を進めることができる。
ワシントンに戻ったオバマ大統領がニューヨークでのパーティーを思い出すとき、その脳裏にはさきほどのマディ・ウォーターズの歌の続きが浮かぶかもしれない。
昨日の夜、君を見た 新しい玩具を手に、街に繰り出した君 でもいいさ、楽しみ続けるがいい いつの日か君はツケを払うことになるんだから
まさに自業自得と言う以外にない。
Reprinted with permission from David J. Rothkopf's blog, 22/10/2009. © 2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.