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指導者の後継選びは最終局面に
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北朝鮮の暴挙に知らん顔するな
爆破犯人の北朝鮮に何も行動を起こさないと国際社会は誤った信号を送ることになる
今年3月26日に韓国海軍の哨戒艦「天安」の船体が外部爆発で真っ二つに割れ、沈没した事故について、韓国政府は5月20日にも正式な調査結果を発表する。韓国側が主張する黄海上の南北軍事境界線付近で起き、46人が死亡・行方不明となったこの事故は、ほぼ北朝鮮の犯行とみられている。その見方はおそらく正しい。
南北の海軍は09年11月にも黄海で交戦しており、死者を出すほどの大きな損害を被った北朝鮮が報復の機会を狙っていたようだ。金正日(キム・ジョンイル)総書記の3男で後継者と噂される金ジョンウンが、軍の信任を得るために攻撃を計画、もしくは承認したとも考えられている。
北朝鮮の関与が明白になったとしても、対抗手段は限られる。軍事力による制裁は何の得にもならないはずだ。韓国政府がそうした意図をちらつかせるだけで市場は動揺する。激怒はしていても、国民の大半は危機の広がりに伴うコストの増大と全面戦争のリスクを嫌うだろう。
打つべき手がないからといって、韓国政府や国際社会は今回の事件を無視するわけにはいかない。何もしなければ北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになる。だからこそ、韓国政府は現在どのような対応をすべきか探っている。
多くの保守派は、韓国政府が北朝鮮南部に開設した開城工業団地を閉鎖すべきだと考えている。この南北共同プロジェクトでは、北朝鮮の労働者約4万人が約100の韓国企業で働いている。
しかし閉鎖は得策ではない。北朝鮮がすぐさま軍事境界線を封鎖し、開城工業団地にいる約1000人の韓国人を人質に取る可能性があるからだ。
韓国南部沖の済州島と本土の間にある済州海峡で、北朝鮮船舶が航行するのを禁止する手もある。だがこれは04年に両国が結んだ海洋協定に違反するため、北朝鮮は海難救助など人道的条項を含んだ海洋協定そのものを破棄するかもしれない。
追加制裁の余地はないが
対抗策として、北朝鮮が領空通過を拒否することも考えられる。そうなると、韓国の民間航空機は北朝鮮上空を迂回しなければならなくなる。結果として飛行時間は長くなり、燃料コストも増える。
韓国が済州海峡から北朝鮮船舶を締め出せば、韓国南岸を通過する密輸船も捕捉しにくくなる。韓国政府にとっては、海洋協定を維持したまま大量破壊兵器などの違法な積み荷を摘発し、北朝鮮による武器輸出を阻止するほうが賢明だろう。
これまでの自制ぶりを考えれば、今回の沈没事故の原因が北朝鮮にあることがはっきりしたとしても、韓国政府と友好国は北朝鮮に対して慎重なアプローチを取るべきだ。
第1に、事件の証拠は国連安全保障理事会に提出されなければならない。これは地域における平和と安定を脅かす事件だからだ。
北朝鮮に追加制裁の余地はほとんどなく、事件は53年の朝鮮戦争休戦以来、敵同士のままである南北間の戦争行為と受け止められる可能性もある。それでも国連安保理への報告は、北朝鮮に制裁を科す義務があることをすべての国連加盟国にあらためて考えさせるきっかけになる。
国連制裁の対象は大量破壊兵器の取引とそれに関わる組織、個人、資産だが、安保理は北朝鮮への贅沢品の輸出も禁じている。現体制に忠誠を近い、その維持に手を貸す人間にばらまかれるからだが、制裁は散発的だ。
制裁を効果的にするには、中国を引き入れる必要がある。国際社会が中国に、北朝鮮への贅沢品の輸出を取り締まる義務があることを再認識させなければならない。
米韓同盟を「解消」するな
第2に、再発を防ぐための監視と抑止力の強化がなされなければならない。韓国政府は既にこれに着手しており、国際社会は力を貸すべきだ。