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「和」の凄さは外国人の匠に聞け!
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ハネムーンで学んだ味噌造りの極意
ジョン&ジャン・ベラミ(「アメリカ・ミソ」創業者、日本食コンサルタント)
本物の探求 ベラミ夫妻は結婚直後の79年に来日し味噌造りを学んだ、修行当時のジョン(右) Mike Belleme(left), Courtesy of John Belleme
ジョン・ベラミが「世界で最も汎用性が高く薬効もある食品の一つ」と考える味噌に出合ったのは、70年代半ばのこと。ヘビースモーカーだった彼は、自然食品店を営む友人に味噌をすすめられた。「味噌汁を飲むようになってから肺機能が回復し、エネルギーが満ちていくのを感じた」とジョンは言う。
味噌信奉者になったジョンは、思い切った行動に出た。79年、結婚したばかりの妻ジャンとともに、味噌造りを学びに日本へ向かったのだ。当時のアメリカでも味噌を入手することはできた。だがそれは大量生産の殺菌されたもので、「自然の温度と湿度を利用した伝統製法の味とは比べようもなかった」とジョンは言う。
味噌はおろか日本食への関心さえ低い時代。しかも2人は日本語を話せなかった。「周囲は無謀だと考えた」とジョンは話すが、彼には適性があった。生物学の研究者として働いていたため、微生物が作用する発酵食品の仕組みは比較的理解しやすかったのだ。
栃木県の小野崎糀店で8カ月間にわたって働いた2人は帰国後すぐ、温度や湿度が味噌造りに適したノースカロライナ州にアメリカ・ミソ社を設立。初年に年36トンだった生産量は、自然食品人気の高まりとともに年400トンまで増えた。経営権を手放した今も、コンサルタントとして同社にかかわる。これまでにレシピ集も5冊出版した。
しょうゆほどではないが、味噌はアメリカの食卓に浸透している。「ベジタリアンが味噌の肉っぽい味を生かしてチリやグレービー(ソース)に使ったり、乳製品を食べられない人が野菜スープに混ぜたりしている」とジョンは言う。
味噌風味のライスクリスピーのような型破りな商品を作る会社も現れたが、2人は気にしていない。30年近くにわたって愛してきた食品をより多くの人々に知ってもらうことを、彼らは願っている。
[2008年10月15日号掲載]