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【2】すべてのバブルは、ねずみ講だ。
世界不況を招いたサブプライム危機は、アメリカの住宅バブルがはじけて起きた。その住宅バブルは一種のねずみ講だった。
ねずみ講とは、会員をねずみ算式に増やし、後から入った会員が金を払うことで先輩会員が儲ける組織のこと。会員が増え続けることを前提とした仕組みだが、人口には限りがあるため、いつか必ず破綻する。
アメリカの住宅価格は90年代後半から上がり続け、06年にピークに達した。特に最後の数年間は値上がりし過ぎてバブル状態だったといわれる。その頃はサブプライムローンを借りて家を買う人が激増していた。
このローンは信用度の低い人向けなので金利が高いが、審査が甘く、当初の金利は低めに設定してある。2〜3年後に返済額が急増するが、住宅価格が上がっている限り心配なかった。自宅を担保にすれば簡単に借金をすることができたからだ。
住宅を買う人が増え続ける限り、先に買った人は住宅価格の上昇というメリットを受けることができた。そのメリットがある限り、買う人は増えた。住宅価格は上がり続けると信じられていた。まるでねずみ講のようにバブルが続いた。
住宅バブルだけでなく、古今東西およそバブルと名の付く経済現象は、すべてねずみ講のようなものだ。チューリップの球根が投機の対象になった17世紀オランダの「チューリップバブル」も、1980年代後半の日本の株・土地バブルも、基本的には同じ。熱に浮かれた人々が次から次へと買い求めた。
ねずみ講と同じで、バブルは必ず崩壊する。そして、いつの時代でも起きる。次に生まれるのは何のバブルだろうか。
[2009年4月15日号掲載]