アンドリュー・ワイエス（アメリカ／画家）

　急速に失われていくアメリカの農村風景や素朴な人々を描き続けたアンドリュー・ワイエスが１月16日、フィラデルフィア郊外の自宅で死去。91歳だった。

　彼の作品は専門家に酷評されたが、大衆には愛された。06年にフィラデルフィア美術館で開かれた個展は、現存の芸術家として過去最高の入場者数を記録した。

　代表作は足の不自由な少女を描いた48年『クリスティーナの世界』だが、彼を一躍有名にしたのは86年のスキャンダルだ。マネジャーだった妻に内緒で、ヘルガというドイツ人女性を15年にわたってモデルにしていたことが明らかになった。ヌードを含む作品は２４０点もあったという。ニューズウィーク米国版もこのスキャンダルで特集を組んだ。

[2009年1月28日号掲載]