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日米関係
属国か対等か
長年の従属外交を脱して
「ノー」といえる関係へ
ゲーツが普天間移設で譲れなかった理由
対米関係の見直しも容認しながら、格下に対する圧力を併用する──ゲーツ米国防長官の訪日で見えたオバマ政権の対日姿勢
要は国防総省 オバマ政権閣僚として初めて鳩山政権を訪問したゲーツ米国防長官(10月20日、東京)Toru Hanai-Reuters
[2009年10月21日ウェブ掲載]
長年、日本政治の脇役だった民主党がついに政権与党の座を獲得したのは9月のこと。それがアメリカにとって何を意味するのか、ワシントンのジャパン・ウォッチャーたちは考えあぐねてきた。鳩山新首相は過剰に中国へ接近するのか、アフガニスタンでの戦争のようなアメリカ外交の重要政策に積極的に協力しなくなるのか。
20日に訪日したロバート・ゲーツ米国防長官は、鳩山政権に対するオバマ政権の考え方を探るうえでのヒントを提供してくれた。それはアメリカが格下の同盟国に取ってきた圧力という伝統的なアプローチと、対米関係の見直し容認という新しいアプローチの組み合わせだ。
オバマ政権としては、まずは新政権の様子を見たいというのが本音だろう。なにしろ第2次大戦以降、自民党以外の政党が政権を握るのは2度目に過ぎない。総選挙後、ゲーツが米政府の閣僚第1号として訪日したのは、日米関係の中心に国防総省が位置することを示している。
海上自衛隊のインド洋での給油活動を撤収するという民主党の発表について、ゲーツはそれは日本が決めることだとして理解を示した。07年にこの問題が日本で大きな議論になったとき、米政府の当局者が強い圧力をかけたのと比べれば大きな方向転換といえる。
グアム移転を止めかねない米議会
ところが地元住民の間で極めて評判が悪い普天間飛行場の移設と米海兵隊の移転問題となると、ゲーツの態度はまったく違う。96年に日米両国が基本合意した普天間飛行場の移設計画を変更すれば、沖縄県民が望む海兵隊8000人のグアム移転にも大きな支障が出ると、ゲーツは警告してきた。
ある米国防当局者は、日本が96年の合意を少しでも変更しようとすれば、影響を受ける要素は雪だるま式に増えると言う。普天間移転がこれ以上遅れれば、米議会がグアム移転費用の負担をストップする可能性もあるし、日米両国の信頼関係にまでダメージを与える可能性もある。