- HOME
- コラム
- Surviving The Trump Era
- FBI捜索でトランプはますます次期大統領に近づいて…
FBI捜索でトランプはますます次期大統領に近づいている
トランプはガーランド司法長官とバイデン大統領への怒りを高め、今後の選挙を有利に運ぼうとしている。
「侵されたのは私の家だけではない。愛国心に満ちた全てのアメリカ人の家だ」とトランプはほえた。FBIが彼の自宅に何かを仕掛けたとも主張し、違法行為が明らかになった場合に備えて支持者に対して幻想的な言い分を与えている。
調査会社ラスムッセンの最新調査によれば、投票意向の有権者の53%が「FBIの最上層部には、FBIをバイデンの私的秘密警察のように使う政治的ゴロツキ集団がいる」という主張に賛同した。
だが皮肉なことに、FBIは最も保守的で白人男性優位の政府組織だ。トランプ本人が指名した現長官を含め、歴代の長官は全員共和党員の白人男性が独占している(民主党は自党員を長官に指名したことはない。FBIが全体的に保守的で共和党色が強いため、民主党系を選べば混乱が生じ得ることを認識しているからだろう)
トランプが強い政治力を保っていることは間違いない。トランプの弾劾訴追決議案に賛成した共和党下院議員10人のうち、まだ政治的に健在なのは2人だけ。反トランプの急先鋒だったリズ・チェイニー下院議員は、中間選挙のワイオミング州予備選でトランプの推薦候補に大敗した。
トランプの次男エリックは、父はブッシュ家、クリントン家、今回のチェイニー家と3つの政治王朝を破壊したと豪語した。実際、中間選挙で劣勢が見込まれる民主党が今回の一件で挽回することはない。
だが、トランプは国そのものも破壊しかねない。FBI捜索の数日後、ライフルで武装した海軍退役軍人リッキー・シファーがオハイオ州のFBI事務所に侵入を試み、警察に射殺された。シファーは連邦捜査官殺害を「愛国者」に呼び掛けていた。
心の奥では誰もが真実に気付いている。おそらくトランプは法律を破った。従って本当は刑務所に入るべきだが、この真実を認めるぐらいなら、本人は自国政府に対する戦争をあおることを選ぶだろう。

アマゾンに飛びます
2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
トランプ版「赤狩り」が始まった――リベラル思想の温床である大学教育を弾圧せよ 2025.03.22
日米首脳会談で「ホームラン」を打った石破首相、そこに潜む深刻な懸念材料 2025.02.22
「忠誠心」で固めたトランプ新政権...最大の敵は「期待」と「時間」 2025.01.17