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米ロ首脳会談の勝者はプーチンか、バイデンか
ロシア国内では、プーチンの足元を揺るがす事態が進行している。首都モスクワでは先週、新型コロナの感染急拡大を受け、全ての公共施設が閉鎖された。2017年の世論調査では、59%のロシア人が信頼する政治家としてプーチンを挙げていたが、現在は20%台に落ち込んでいる。
自国の大統領が再び世界で存在感を示し、米大統領と握手を交わし、独仏の首脳も会談を要請──そんな強い指導者のイメージは9月の議会選挙で有利に働くはずだ。
毎年、プーチンが国外メディアと会見するバルダイ・クラブ(シンクタンクかつ国際討論フォーラム)でプログラムディレクターを務めるアンドレイ・スシェントフは、「(ロシアの)エリート層の間ではアメリカとの和解がもたらすかもしれない成果に対して根強い懐疑論がある」と言う。「プーチンは懐疑派を説得するために、彼の政治的資本の動員を強いられるかもしれない。もっとも、アメリカを敵対視するロシア人でも緊張の緩和は概して歓迎するだろう。フェアな競争であれば、だが」
対ロシア関係をより予測可能性の高いものにするというバイデン政権の最重要課題を考えると、今回の首脳会談で劇的な展開はあり得なかった。結局、米ロは一時帰国していた大使を帰任させ、サイバーテロと軍備管理に関する対話を続けることに合意し、実質的な相違点は脇に追いやられた。
モスクワ国際関係大学の政治学者アンドレイ・スシェントフは私にこう言った。「両首脳は予想外にオープンに意見を交換した。少なくとも、双方が互いをプロとして尊重する機運を高める場としては役に立っただろう。しかし、行き詰まりを打開するには不十分だ。重要なのは、合意された内容の実行能力と検証。両国関係に進展があるかどうかは、今後半年間で見えてくる」
この首脳会談の評価は、これから何が起きるかを見てから決めても遅くない。
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