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51番目の州を目指す首都ワシントンの知られざる苦悩
第2に、ワシントンを州と位置付けることには共和党の反対も強い。ここでは圧倒的に民主党が強いからだ。トランプ大統領は最近、「ワシントンが州になることは決してない。民主党の上院議員が2人、下院議員が5人も増えるなんてごめんだ」と言っている(後述の法案が求める議席数は、上院が2人、下院が1人だが)。しかし、ワシントンが議員を選べるようにしつつ、共和党が強い州の下院議席を多くして、バランスを取ることも可能だ。
そして第3に、昨年のギャラップ社の全米世論調査によれば、回答者の約3分の2はワシントンを州として扱うことに反対していた。
だが、ワシントンは黒人住民が多いことで知られている町だ。人種差別が有権者の関心時になっている今、現在の扱いはひときわ時代遅れに感じられる。
6月26日、連邦議会の下院はワシントンを51番目の州とする法案を可決した。共和党が多数を占める上院では、この法案が可決されることはないだろう。
それでも、最近トランプと共和党の人気が下がり、民主党への支持が高まっている。11月の大統領選と同時に実施される議会選で、下院に加えて上院でも民主党が多数派になれば、私の生まれ故郷であるワシントンがついに正当な権利を手にできる日が来るかもしれない。
<2020年7月14日号掲載>
2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。
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