コラム

「オバマの再来」オロークが民主党予備選から撤退......候補者レースの本質は「対比」にあり

2019年11月12日(火)18時00分

ただし、次はブーティジェッジが対比される番かもしれない。ブーティジェッジはライバルの上院議員たちとの違いをアピールする切り札として、市長としての行政経験を武器にしてきた。

しかし、ここにきてニューヨーク市長を3期務めたマイケル・ブルームバーグが大統領選に立候補を検討というニュースが飛び込んできた。この動きはブーティジェッジにとって大打撃になる可能性がある。ブーティジェッジがサウスベンド市長選で獲得した8500という得票数は、アメリカ最大の都市を10年以上にわたり率いた資産550億ドル以上の大富豪の前では、大きく見劣りする。

大統領選の予備選挙は誰が最高の候補者かではなく、誰が他の候補よりもましかを決める闘いだ。レースの行方は候補者が完全に出そろうまで予断を許さない。もしブルームバーグが本当に参戦すれば、ヒラリー・クリントン元国務長官も出馬を模索するだろう。先はまだまだ長いのだ。

<本誌2019年11月19日号掲載>

【参考記事】「赤い州」に誕生する民主党知事、「異変」が起きている
【参考記事】トランプは大差で再選される──最も当たる調査会社が予測

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プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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