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住み家もシャワーもなく、18時間労働で日給11ドルの苦境
目標は、多くの人にウィチョル族タバコ労働者の現状を知ってもらい、彼らの環境を変えていこうとするムーヴメントを生み出す手助けになること。そのムーヴメントにより、タバコ農園の頂点にあるフィリップ・モリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコといった多国籍企業を動かすことである。
人道問題を扱っている写真家が陥りがちな、ある種ネガティヴな活動家的押し付けがましさはロドリゲスには見られない。写真そのものが力強さを放っているためだ。また彼自身が同じ地域のメキシコ人であるためか、素朴さや純粋さが写真にも漂っている。
【参考記事】紫煙に覆い隠された、たばこ産業の現実
ロドリゲスが「Huicholes del tabaco」(タバコ・ワーカーのウィチョル族)というタイトルで本格的にプロジェクトを始めたのは、わずか1年と8カ月ほど前だ。インスタグラムでもこのプロジェクトだけに絞っている。だがすでにプロジェクトは大きく前進している。多くのメディアやギャラリーで紹介され、賞も取り始めた。そのおかげで、ウィチョル族の過酷な現状が世界に知られるようになってきているのだ。
とはいえ、道のりはこの先もまだ長いだろう。本来、ウィチョル族にとってタバコは伝統文化であり、儀式や医療の手段に使われてきた。それなのに彼らは、巨大なたばこ産業が生み出したある種"負の作用"であるグローバリゼーションという怪物のもとで、貧困と過酷な環境の罠にはまってしまっているのである。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
César Rodríguez @huicholesdeltabaco
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