コラム

住み家もシャワーもなく、18時間労働で日給11ドルの苦境

2016年06月28日(火)16時31分

Laura, mother of Andres and Maria goes every 2 or 3 days to the irrigation canal to wash their clothes and themselves. They wash themselves with laundry detergent because it costs less. Laura sais she has been doing this since she was a girl, with her mother. The canal comes from the Santiago River, a river where international and national companies throw their waste in to their waters. #igers #mexigers #everydaylatinamerica #everydayeverywhere #everydaynayarit #a7r #instagood #huicholesdeltabaco #photoaday #tabaco #britishamericantobacco #philipmorris #dailyphoto #photojournalism #humanrightshumanwrongs #reportagespotlight #tobacco #jornaleros #daylabor #bnw #blackandwhite #byn #hikaricreative #humanrights #MEXcelente #burndiary #everydayclimatechange #indigenousrights #MPNselects #hallazgosemanal

Huicholes del tabacoさん(@huicholesdeltabaco)が投稿した写真 -

汚染された灌漑用の運河で身体と服を洗う一家

 目標は、多くの人にウィチョル族タバコ労働者の現状を知ってもらい、彼らの環境を変えていこうとするムーヴメントを生み出す手助けになること。そのムーヴメントにより、タバコ農園の頂点にあるフィリップ・モリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコといった多国籍企業を動かすことである。

 人道問題を扱っている写真家が陥りがちな、ある種ネガティヴな活動家的押し付けがましさはロドリゲスには見られない。写真そのものが力強さを放っているためだ。また彼自身が同じ地域のメキシコ人であるためか、素朴さや純粋さが写真にも漂っている。

【参考記事】紫煙に覆い隠された、たばこ産業の現実

 ロドリゲスが「Huicholes del tabaco」(タバコ・ワーカーのウィチョル族)というタイトルで本格的にプロジェクトを始めたのは、わずか1年と8カ月ほど前だ。インスタグラムでもこのプロジェクトだけに絞っている。だがすでにプロジェクトは大きく前進している。多くのメディアやギャラリーで紹介され、賞も取り始めた。そのおかげで、ウィチョル族の過酷な現状が世界に知られるようになってきているのだ。

 とはいえ、道のりはこの先もまだ長いだろう。本来、ウィチョル族にとってタバコは伝統文化であり、儀式や医療の手段に使われてきた。それなのに彼らは、巨大なたばこ産業が生み出したある種"負の作用"であるグローバリゼーションという怪物のもとで、貧困と過酷な環境の罠にはまってしまっているのである。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
César Rodríguez @huicholesdeltabaco

16歳と18歳の兄弟。1日18時間働いて200ペソ、約11ドル稼げるだけ

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

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