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「EXCELLENT WET PAPER」日本の商品パッケージで見かける奇妙な英語
日本語の省略感覚は間違った和製英語の原因になる
砂を食べたくない!#泣いちゃう英語 pic.twitter.com/6IDuDXNGNd
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) August 13, 2020
●COCONUT CHOCO SAND
日本のスーパーの棚に並んでいたこの商品の写真を見たとき、「砂なんて食べたくない!」が私の最初の反応でした。SANDは「砂」であり、正しくはsandwichです。
このSANDはsandwich cookieの省略で、CHOCOはchocolateの省略を意図したのでしょう。「チョコ」と「サンド」はカタカナとして定着しているので、日本人の間では通じるかもしれませんが、英語ではそのように省略しないため、変に聞こえます。
特に今回の場合、クッキーの外側にあるココナッツフレークが砂のように見えるので、「本当に砂を食べるのか」と感じてしまうかもしれません。
日本人はchocolateやsandwichのような発音しにくい英単語を省略することを好みます。しかし、日本特有の省略方法を用いることが多い。基本的に、その省略方法はカタカナに基づいています。日本人同士ではそれで通じるかもしれませんが、その考えに基づいて省略された単語をローマ字にすると、英語として通じないことがよくあるので、注意が必要です。
望ましくない連想を避けるためにネイティブチェックをしよう
camellia oil moisturizes your hairの方が正しい。あるいはmakes your hair silky。ここで大切なのは、moistureは名詞で、形容詞ではない。#英語 pic.twitter.com/XuSMuzTWD2
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) November 5, 2018
●High quality refined Japanese camellia oil make your hair moisture
この商品は私も使っていて、とても質の高い商品だと思いますが、パッケージに書かれている英語は残念ながら間違っています。
現在は日本のみの発売かもしれませんが、先ほども述べたように、日本で商品を買う人が必ずしも日本人というわけではありません。さらに、この英文では輸出した際に外国の人に悪い印象を与えてしまうかもしれません。
この英語の問題点は、単純な文法ミスです。まず、makeはmakesであるべきです。この文章では主語から考えて活用が必要であるため、三人称単数でmakesになります。
また、文中ではmoistureを形容詞として扱っていますが、本来は名詞です。形容詞にすると、moistになります。
しかし、髪の毛に関してはmoistをあまり使いません。moistはケーキなどの食べ物や、汗をかいた肌の修飾語として使われます。また、moistが気持ち悪いと思っている人が多くいるので、この単語の使用を考えるときには注意が必要です。
より適切な形容詞として、glossyやsilkyがあります。また、ここで動詞を使用するのも可能です。例えば、shineにすればとても自然なのではないかと思います。moisturizeをmakeの代わりに動詞として使う手もあります。そうすればmoisturizes your hairになります。
ネイティブの目には文法の間違いが目立つため、商品のイメージに悪影響を与えます。以上の理由からネイティブチェックは役に立つのです。
今回紹介した物は全て日本の会社の製品で、もしかすると日本だけで発売されているのかもしれません。
しかし、日本には日本人だけが住んでいるという時代は既に終わりました。また、英語が流暢な日本人も多くなりました。そのため日本国内で販売されている商品にもネイティブチェックを通して、とんでもない英語が出回らないように気を付けて頂きたいです。
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