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真珠湾攻撃から80年、日米の相互和解は果たされたのか?
ワシントンのメモリアルサイトで献花したバイデン夫妻 Tom Brenner-RETERS
<日米首脳の相互献花によって日米戦争の和解は完了されたと言えるが、両国関係が盤石だからといってそれに甘えるのは危険>
日本では真珠湾攻撃の記念日は12月8日ですが、アメリカでは時差の関係で毎年12月7日に追悼の行事があります。80年目の「12月7日」、アメリカは平穏でした。ハワイでは追悼行事がありましたし、ワシントンDCではバイデン大統領がナショナル・モールのウォーメモリアルサイトで献花を行いました。
そのバイデン大統領の花輪には「ヒマワリ」の花があしらわれていたそうです。これは、5日の日曜日に98歳で死去した元大統領候補で、共和党の上院院内総務であったボブ・ドール氏への追悼の意味が込められていたのでした。ドール氏は、確かに第二次大戦に従軍しており、右手に重傷を負っていたことは有名です。
ですが、ドール氏が従軍していたのは欧州戦線でした。そのドール氏への追悼を、同じ花輪に含めたということは、この花輪は第二次世界大戦全体への追悼という意味になります。ということは、花輪の意味としては、真珠湾攻撃の80年という意味合いは薄れているわけです。これは、2021年のアメリカが、真珠湾という事件への和解を完了させていることの証拠と思います。
戦後アメリカでの山本五十六への評価
真珠湾の和解ということでは、毎年2月に行われている「ホノルル・フェスティバル」の際に2007年以来「ナガオカ・ファイアーワークス」つまり「長岡花火」の打ち上げが恒例となっています。残念ながら2021年2月は、コロナ禍のために中止となりましたが、環境が整えば再開されることと思います。
長岡市は、他でもない山本五十六提督の出身地です。ハワイの人々からすれば、山本提督は、真珠湾への奇襲攻撃の責任者ですから、仇敵に他なりません。アメリカは、その山本を1943年にブーゲンビルで暗殺したばかりか、戦争終結直前の1945年8月1日には、その出身地の長岡市に猛烈な空爆を行っています。いずれも真珠湾攻撃への報復として行われたという理解ができます。
ですが、戦後のアメリカでは、山本が実はハーバードに学び、「ナショナル・ジオグラフィック」誌を愛読した知米派であったこと、それ以前の問題として旧海軍にあって「命懸けで」日独伊三国同盟に反対していたことは徐々に知られるようになっていました。そうした知識は、当初は軍学校での教育を通じて広まり、現在ではアメリカの高校の歴史の授業においても、「ヤマモトは立派な軍人」という紹介がされることもあります。
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