- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 全てが期待以上のバイデン就任式に感じる1つの「疑念…
全てが期待以上のバイデン就任式に感じる1つの「疑念」
もう一つは、就任式の主賓席の雰囲気でした。式典を通じて、バイデン夫妻、ハリス夫妻、オバマ夫妻、ブッシュ夫妻、そしてペンス夫妻は、まるでこの10人が何十年来の同志であるかのように親密に振る舞っていました。その様子を見ていると、2週間前に同じ場所で発生した流血の不祥事以来、ペンス副大統領(当時)が、少なくとも軍事、治安、政権移行の3分野については超法規的に事実上政権を代表して、議会および次期政権と協調していたことが伺えました。
その延長線上に、トランプとの「暗黙のディール」があっても不思議ではない、そんな印象を抱きました。例えばですが、バイデン大統領が演説で、和解を、そして危機の克服を、と訴えていた際に、ブッシュとマコネルという共和党の政治家が極めて真剣な姿勢で聞き入っていた、その光景もこれに重なってきます。一方で、おそらくはトランプを一生許さないであろうクリントン夫妻は、式典会場でも表情は堅いままで、存在感はありませんでした。
仮にそのような「密約」があったとして、これはバイデン政権にとっても、マコネル院内総務率いる共和党の穏健派にしても、願ったりかなったりだと思います。ですが、一つ大きな問題があります。それは、民主党の左派はおそらくそのような曖昧な筋書きは許さないだろうという点です。
思い起こせば、2017年、そして2018〜19年の失敗に終わった弾劾決議の時も、消極的であった民主党指導部に対して「トランプの犯罪を許すな」と激しく突き上げたのは左派でした。どんな形であれ、仮にもトランプを「許す」ということになれば、彼等は黙っていないでしょう。
アジア同盟国重視のメッセージ
これも全くの印象論ですが、バーニー・サンダース上院議員が、就任式という格式にはそぐわない「アウトドア向けの防寒ジャケット」で列席していたあたりに、何となく不穏な予兆を感じたのも事実です。
いずれにしても、新政権の初日は混乱もなく、スムーズな「船出」となりました。まずは、新型コロナ感染拡大対策として、ワクチン接種の加速、そして経済支援策の実現が注目されています。
一方で、中国はトランプ政権の外交チームに制裁を加え、何故かこの日に合わせてジャック・マー氏が公共の場に姿を見せるなど、アメリカとの関係改善へ向けたメッセージを早速投げてきました。バイデン政権としては、早期に外交チームの上院承認を得てスピーディに新しい外交をスタートできるかが問われています。
ちなみに、就任式の夜に行われたバーチャル形式での就任記念イベントで、岩国の米軍基地からF35機を背景にして海兵隊員が就任を祝いつつ、自由陣営と同盟を守るというメッセージを述べるシーンがありました。とりあえず、これは日米同盟を機軸にして、オバマ時代の「アジアにおける同盟重視戦略」に戻そうというメッセージと理解して良いと思います。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員