- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う
ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う
一方で、ニューヨークと比較すると人口あたりの死亡者数はずっと少ない東京の場合でも医療崩壊という言葉が使われています。例えば、今回亡くなった大相撲力士の勝武士(しょうぶし)さんの場合でも、入院先が見つからずに治療が遅れた可能性が指摘されています。その他にも、病床が満杯になったり、対応に時間がかかるなどの事例は東京で報告されており、一種の「医療崩壊」だという表現が多く見られました。
ですが、同じ医療崩壊という形容でも、ニューヨークと東京は全く違います。ニューヨークの場合は感染者34万人、死亡者2万7000人というまさに感染爆発のなかで、可能な例外措置をどんどん投入しつつ、救命できなかった例が多く出たわけです。
一方の東京都の場合は、感染が4997人、死亡が203人。死亡者数で言えばニューヨーク州のまさに100分の1、人口あたりでは67分の1ですから、感染爆発は阻止できたと言っていいでしょうし、指定医療機関の制度や指定された病床が一時的にあふれた中で、原則として柔軟な例外措置を控えたために起きた問題と言えます。
ですから、同じ医療崩壊といっても、ニューヨークと東京の場合は全く内容は異なります。そして、全体としては東京はなんとか持ちこたえ、ニューヨークは事態を後追いするだけで精一杯だったのは客観的事実だと思います。
それにもかかわらず、ニューヨークの場合は知事への信頼も高く、医療従事者への称賛の声にあふれているのは、あくまで文化的な問題だと思います。日本の場合は、全体的には成功しているのに反省的であったり、批判が絶えないわけですが、これもそういう文化だからだと思います。
こうした日本の厳密なカルチャーは、限度を超えた異常事態には弱いとも考えられ、今後へ向けての反省は必要ですが、同時にそのカルチャーが感染拡大を防いだとも言えると思います。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員