- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- なぜ今になって英語の民間試験導入に反発が出ているの…
なぜ今になって英語の民間試験導入に反発が出ているのか?
先述の通り本来はTOEFL一択でいいとは思いますが、「大人の事情」の結果、多くの国内の企業が新たに作った試験も選択肢として認められています。こちらは、「点が取りやすい」とか「有利になる」などという謳い文句とともに、セールス活動がされている(おかしな話です)ようですが、その検査そのものが「日本の受験生にも点が出やすいように」つまり「ホンモノの言語運用能力ではなく、試験対策なるものが通用する」ような内容に歪められているかどうかは、しっかり監視しなければならないと思います。
それはともかくとして、実施直前のこのタイミングでこれだけの「不安感」が噴出してきたということを見ると、そのこと自体に1つの大きな不安を感じざるを得ません。
それは「民間試験導入が分かっていたにも関わらず、旧態依然とした英語教育を抜本的に変革することが間に合わず、聞くとか話すといった技能について、高校生自身も、また指導した高校教師も全く自信が持てていない」という不安です。
そうだとすれば、試験に対する不安感や反発というのは、日本の学校現場における英語教育が「変わらなくてはならないが変われない」という状況を抱えて混乱していることのあらわれ――そう理解することができます。仮にそうだとすれば、決していい状況ではありませんが、とにかく新しい制度が「変らなくてはならない」という現実を突き付けているのは事実でしょう。現在の混乱はそのように理解できると考えられます。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
環境活動家のロバート・ケネディJr.は本当にマックを食べたのか? 2024.11.20
アメリカのZ世代はなぜトランプ支持に流れたのか 2024.11.13
第二次トランプ政権はどこへ向かうのか? 2024.11.07
日本の安倍政権と同様に、トランプを支えるのは生活に余裕がある「保守浮動票」 2024.10.30
米大統領選、最終盤に揺れ動く有権者の心理の行方は? 2024.10.23
大谷翔平効果か......ワールドシリーズのチケットが異常高騰 2024.10.16
米社会の移民「ペット食い」デマ拡散と、分断のメカニズム 2024.10.09