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デトロイト・モーターショーは手動運転の「終わりの始まり」?
一つの例としては、台湾は「自動運転の実用化モデルケース」になろうという動きを官民挙げてスタートさせているのですが、その状況報告と、問題提起というのもこのシンポジウムの中で行われる予定です。また、国土の極端に狭いシンガポールでは、この自動運転技術の実用化は交通インフラ整備という政策の中で、極めて優先順位が高いということで、国の交通大臣もこのシンポジウムに参加するそうです。
同様の、そしてもっと大規模なイベントは、2月26日からはシリコンバレーで、 4月19日からは上海で、6月5日からはドイツで、順に行われて行きます。つまり、ウーバーやグーグル(ウェイモ)などの先行企業だけでなく、後発まで含めて、自動運転車の技術はほぼブレイクスルーに近づいている中で、現在は、社会全体として制度設計や、インフラ対応などを討議する段階に来ているということです。
この種のシンポジウムは、そうした世界標準の合意形成の場であるわけで、そこに食い込んで行かないと「標準規格への食い込み」ができないわけです。その点、日本企業はトヨタや日立などは比較的積極的に参加しているものの、全体的には官民挙げての参加という意味で存在感が小さいのが気になります。
と言いますか、自動車産業の主要なプレイヤーである日本は、この大きな産業全体の改革期に当たって、日本でのシンポジウム・見本市開催などで業界を積極的に牽引して行かなくてはならないはずですが、その動きも今ひとつ鈍いのが気になります。
この大きなトレンドというのは、実はアメリカでも一般社会ではそれほど理解されているわけではありません。例えば、デトロイト・モーターショーに関して、ニューヨーク・タイムズは「デトロイト・ショーは良き時代の終わりを告げる」という記事を掲載していましたが、その内容はあくまで「過剰生産設備」のせいで、自動車販売の景気は2018年までは好況が続くが、19年からは暗転するという景気サイクルの話にとどまっていました。
ですが、実際のところでは「自動運転技術」と「自動車のシェアリング」というビジネスモデルは、どんどん革新を続けており、もしかしたら今回のデトロイト・モーターショーを契機とした一連の見本市とシンポジウムというのは、「手動運転の自動車」という文明の「終わりの始まり」かもしれないのです。
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