- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- トランプ初会見は大荒れ、不安だらけの新政権
トランプ初会見は大荒れ、不安だらけの新政権
この問題に関しては、トランプ氏は自身で語るのではなく、顧問弁護士として長年の付き合いがあるという、「モルガン・ルイス・バッキウス法律事務所」のシェリ・ディロン弁護士を登壇させて、彼女の口から「決定した対策」が紹介されました。
内容はまったく中途半端なものでした。トランプ氏は自身のビジネス「トランプ・オーガニゼーション」を第三者に売却するのではなく、息子2人、つまりドン・ジュニア・トランプ氏とエリック・トランプ氏に託すというのです。また、自身の持ち株については、信託に入れるものの、利害関係のない第三者を管理人にする「ブラインド・トラスト」にはしないとしています。
その他の「対策」としては、「トランプ・オーガニゼーション」内部に倫理担当者を設置するとか、トランプ氏が大統領職に在職中、同社は「外国との間には新しいビジネス上の契約は結ばない」し、「国外における企業活動が生んだ利益は国庫に寄付する」としています。一方で、国内では相変わらず新しい契約はどんどん進めてシッカリ稼ぐというのです。
ディロン弁護士とトランプ氏は、政府の公務員には利益相反になるビジネスに関して「すべて売却」する義務があるという法律は、「大統領と副大統領には適用されない」ので、自分たちは「本来は必要のない措置」をしていると、再三強調していました。
【参考記事】オバマ米大統領の退任演説は「異例」だった
ですが、これではまったく不十分です。法的な形式要件は満たしているかもしれませんが、大統領職との整合性は取れません。この日の会見の席では、メディア各社からの鋭い「ツッコミ」はありませんが、1月20日に就任した後は、民主党やリベラル系の新聞などは「トランプファミリーの公私混同」について、とにかく様々な材料を収集し続けるに違いありません。
ディロン弁護士は、トランプ氏と一族が「全株を売却すれば、負債を抱えることになる」とか、「対策として会社を一旦上場させて持ち株を処分することも考えたが、テクニカルに不可能ということが判明した」などと、12月に私が推測したように、「売るに売れない」事情があると説明していましたが、やはりこの半端な措置は問題だと思います。
仮に経済が行き詰まったり支持率が低下した際には、それこそ70年代の日本の「田中金脈問題」のように、「トランプの公私混同疑惑」が一斉に噴出する――そんな可能性を残してしまったからです。
ロシアのハッキング問題における諜報機関や報道機関との確執、北米自由貿易協定(NAFTA)の存在を無視して「高関税をかける」という私的な圧力で進めた「産業空洞化対策」、そしてまったく不完全な「利害相反問題」への対処と、この11日の会見で浮き彫りになったのは、新政権の船出は「不安だらけ」という現実にほかなりません。
迷惑系外国人インフルエンサー、その根底にある見過ごせない人種差別 2025.04.23
グーグルへの公取「排除命令」は、日本のデジタル赤字対策になるか? 2025.04.16
トランプ関税が抱える2つの謎......目的もターゲットも不明確 2025.04.09
博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日本社会の側にある 2025.04.02
内紛続く米民主党、震源地はニューヨーク 2025.03.26
トランプが南米ギャング団幹部を国外追放、司法との対決に直面 2025.03.19
株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたトランプへの逆風 2025.03.12
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
東京/経理 買掛金等/世界トップクラスの包装資材&機械の外資系メーカー 残業10h・年休125日
シールドエアージャパン合同会社
- 東京都
- 年収525万円~630万円
- 正社員
-
東京/マネージャー ビジネスユニットコントローラー/英語力活かせる/外資系商社
DKSHジャパン株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,000万円
- 正社員
-
土日祝休/外資系オフィス内カフェ・ケータリングの運営スタッフ 年休120日
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 年収322万円~350万円
- 正社員