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ヒラリー対ジェブ、2人のビデオを比べてみると
具体的には「シングルマザーの人生の再出発」「レストランを起業するヒスパニックの人びと」「子育て期間を終えて再就職する女性の再出発」「初めての子供を迎えるアフリカ系の夫婦のドキドキ」「大学を卒業した後で就職活動中のアジア系の学生」「夏に結婚する予定のゲイ・カップル」といったものです。
要するに、2008年以来の不況で人々が苦しんでいる、その「再スタート」を応援する、そしてその「再スタート」というのが、2008年のオバマとの対決に敗北した彼女の「再チャレンジ」と重なるという演出でした。
ヒラリー候補本人はビデオの前半には出てきません。登場するのは最後だけで、何とも「大政治家」風に出てくるのです。そして「私も再出発」だとして出馬を宣言、そして「これから遊説に出ます。皆さんの支持をいただくためです」とストレートに支持を訴えていました。
ビデオの作りとしては、あくまでイメージが中心です。俳優を使って「創作したフィクションのイメージビデオ」という印象が強く、あくまで出馬宣言の「勢いをつける」ためのビデオという印象です。
一方のジェブ陣営のものは、6月14日に配信を開始した "Making a Difference" というビデオです。まず、内容はヒラリーの "Getting Started" を相当に意識し、また研究し尽くした感じがあって、よく似ています。
ジェブ陣営のビデオの登場人物は4名で、それぞれが「家族全員が高校中退である中、自分は初めて卒業し大学にも行けたというアフリカ系女性」「ごみ収集の仕事からスタートしてコツコツとキャリアを積み上げたヒスパニック男性」「重度の障がいを持った少女の母親」「家庭内暴力に苦しむ女性たちを支援している専門家」であり、実名を名乗っているところから見ると、どれも本物のようです。
この4名はいずれもフロリダ州の住民で、要するに「ジェブ候補が知事の時代に行った政策に助けられた」ということを説明するために登場するわけです。また、ビデオの最初からジェブ氏自身が登場して、自分の知事時代の実績や、政策に関する姿勢を淡々と述べるのです。その意味では、非常に「わざとらしい」のですが、内容をよく聞くと共和党の政治家にしては「キメ細かく格差是正」をやっているという印象を与えます。
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