- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 米ファストフード業界で「時給15ドル」要求ストをめ…
米ファストフード業界で「時給15ドル」要求ストをめぐる議論
ただ、ストライキ中の労働者がデモを行っている様子などは、全米のメディアで報道されましたし、同時に賛否両論がネットの記事や、SNSでかなり広範な形で盛り上がっていたのは事実です。
賛成論としては「若者の雇用環境が改善する」であるとか「購買力が広い範囲で改善され国内消費に寄与する」というような説に加えて、「ブランドの社会的イメージが向上し企業側にも有利」などというものもありました。
反対論としては「廉価なファストフードが値上がりすることでインフレを加速する」とか「時給が大幅にアップすれば自動化が進んで雇用が縮小される」、あるいは「一社だけ改善しても、他が追随しなければ失敗するだけ」など、色々な声があります。中には「現在の時給でも採用待ちの予備軍が大量に存在する中で、時給アップを主張した人間は解雇されるだけだろう」というような悲観論もありました。
企業側のコメントとしては、ウォルマートの「反論」が徹底していました。「そもそも人件費を大幅アップさせたら、巨大な雇用創出ができなくなる」とする一方で、「実際は最低賃金での雇用は少ないので、最低額を時給15ドルにしても全体への改善効果は少ない」などとして正面から要求を拒否しています。
その一方で、今回話題になったマクドナルドはコメントを出していませんが、この会社の場合はオペレーションの多くがフランチャイズであるために、本部として現場の各店舗レベルの雇用に関するコメントは出しにくかったという解説もあります。
この「ストライキ」と、これに付随した議論というのは、それ以上でも以下でもありません。そして、もしかしたら、この「スト戦術」というのは効果を生まないのかもしれません。そうではあるのですが、少なくともこうした運動が行われ、そしてそれに関する議論が盛り上がったということ自体は、決して悪いことではないように思います。少なくとも、こうした動きや議論があることで、アメリカ社会は「閉塞感」を緩和できているように思います。
また賛成論と反対論というのは、明らかに民主党と共和党の対立軸を反映したものではありますが、お互いを罵倒するようなムードや、最初から決裂を決め込んで双方が絶叫調になるということもありませんでした。何よりも、労働者の「団体交渉権」という権利そのものは、「嫌い」であるとか「反対」という共和党系の人も含めて、とりあえず「権利」として社会的な認知はされている、そう見ても良いと思われます。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員