プレスリリース
循環式陸上養殖システムの研究・開発・提供を行う子会社「株式会社NTTアクア」の設立について
2024年12月02日(月)11時00分
ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、ICTを活用した循環式陸上養殖システム(以下 本システム)の研究・開発・提供を行う子会社「株式会社NTTアクア」を設立し、2024年12月2日より事業を開始します。本システムの提供により陸上養殖事業への参入障壁を下げ「誰もが参加できる陸上養殖」を実現することで、地域の活性化・食糧安全保障※1の強化へ貢献します。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_1.png
1.背景
日本の過疎地域は今や国土の約6割、市町村数の半数近くを占めると言われています。人口減少とともに魅力的な働き場所が少なくなった地方から人口がさらに都市部に流出し、少子高齢化が加速するおそれがあるとの指摘もあり※2、地方に新たな産業を生み出すことは過疎化対策には不可欠です。
また、昨今気候変動や世界的な食料需要の拡大などにより、食料安全保障の強化が国内における喫緊の課題になっています。
上記のような課題を解決する手段の一つに陸上養殖があります。陸上養殖は海面養殖と異なり漁業権が不要で参入しやすく、ICTを活用すれば養殖経験がなくても効率よく多くの魚を養殖できる可能性があるほか、廃校などの地域の未利用施設を有効に活用することができます。
NTT Comは、陸上養殖の研究開発、種苗生産などを事業とする紅仁株式会社(以下 紅仁)と2023年から沖縄県大宜味村にて行ってきた共同研究を通じ、ICTを活用した誰もが参加しやすい陸上養殖システムである本システムを開発しました。本システムを沖縄県を除く日本全国へ提供するためNTTアクアを設立し、上記課題の解決、さらには魚食文化※3の持続可能性向上にも貢献していきます。
2.事業概要
NTTアクアは紅仁と包括連携協定契約を締結し、沖縄県を除く日本全国で、これから陸上養殖事業を開始・拡大する事業者に向けて本システムの提供を開始します。まずはハタ類2種を養殖できるシステムを提供開始し、順次対象魚種を拡大していきます。
紅仁の持つ先進的なろ過技術と、共同研究を通じて現場志向で開発したNTT Comの「陸上養殖ICTプラットフォーム」を組み合わせて構築した本システムを通じ、「誰もが参加できる」陸上養殖を実現します。
【ろ過技術について】
本システムは国内の既存の循環式陸上養殖設備と異なり、細菌(バクテリア)を使わない方式を採用しているため、複数のメリットがあります。
(1)従来よりも狭い土地で陸上養殖を実現可能
一般的に飼育水槽の6~8割の面積が必要とされる生物ろ過槽※4が不要のため面積効率が非常に良く、従来よりも狭い土地で陸上養殖を実現できます。
(2)メンテナンスが容易
生物ろ過槽を使わないためメンテナンスが容易となり作業効率が向上します。
(3)高密度での養殖が可能
細菌を使わないため魚の成長に合わせて安定したろ過が実現でき、1水槽あたりの魚の密度をより高くしての養殖が可能です。
【陸上養殖ICTプラットフォームについて】
水槽の水質・水温や装置の故障を一目で把握できるダッシュボードです。陸上養殖ICTプラットフォームを活用することで、養殖経験のない人でも簡単なレクチャーを受けることで養殖することが可能となります。
<陸上養殖ICTプラットフォームの特徴>
(1)優れたUIのダッシュボード
NTTドコモが2017年から提供している海洋観測サービス「ICTブイ」のノウハウを反映しており、センサーで取得した水温、酸素、塩分濃度、pHなどの情報をダッシュボード上で簡単な操作で確認可能です。
(2)ダッシュボードを活用したNTTアクアによる養殖支援
プラットフォーム上の情報はNTTアクアが一元管理しており、異常がある際などには遠隔地からもリアルタイムで養殖事業者を支援します。
(3)チューニング済のプラットフォームを利用可能
適切な水温・水質などは魚種ごとに異なるため、養殖する魚種に応じてNTTアクアがあらかじめチューニング(水温・水質などの閾値の設定)をしたプラットフォームを養殖事業者に提供します。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_2.png
<陸上養殖ICTプラットフォーム>
3.新会社の概要
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_6.jpg
NTTアクアの最新情報は公式Webサイトをご確認ください。
公式Webサイト:https://www.ntt-aqua.com/
4.今後の展開
今後はハタ類の種苗や魚種に最適なエサの提供など、種苗から成魚の出荷まで陸上養殖事業者さまをトータルでサポートするサービスも提供する予定です。
さらに、魚の異常検知の実現に向けNTTの研究所と共同研究を行っていくほか、魚類の養殖生産を行うNTTグリーン&フードなど、関連するNTTグループ各社と連携し新たなサプライチェーンを構築することで水産業の効率化・付加価値向上を実現し、地域活性化と食料自給率向上に貢献します。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_4.png
<紅仁社と共同研究しているハタ類の様子>
*「NTTアクア」の地域活性化モデル、ビジョン・ミッション・バリュー、キービジュアル・公式Webサイトなどは、NTTコミュニケーションズの組織変革・事業創出を担うイノベーションセンターデザイン部門「KOEL」が策定・制作の支援をしています。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_5.png
https://www.ntt.com/lp/koel
※1:食料安全保障とは、国内における農作物の不作や輸入の途絶などの不測の事態が生じた場合であっても、人が生きる上で最低限必要とする食料の供給を安定的に確保することを指します。
出典 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/tv-5109.html
※2:出典 総務省ホームページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000944362.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000629037.pdf
※3:魚食文化とは、魚を獲る技術や処理、品質を評価する目利き、加工・保存の方法、調理道具や方法など、魚を中心とした食生活の中で受け継がれ、蓄積されてきた知恵や知識を総称する概念のことです。
出典:水産庁ホームページ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h19/pdf/data1-1.pdf
※4:生物ろ過槽とは、細菌(バクテリア)の働きを利用して水を浄化するためのろ過槽です。バクテリアを繁殖させることで、アンモニアなどの有害物質を分解します。
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_1.png
1.背景
日本の過疎地域は今や国土の約6割、市町村数の半数近くを占めると言われています。人口減少とともに魅力的な働き場所が少なくなった地方から人口がさらに都市部に流出し、少子高齢化が加速するおそれがあるとの指摘もあり※2、地方に新たな産業を生み出すことは過疎化対策には不可欠です。
また、昨今気候変動や世界的な食料需要の拡大などにより、食料安全保障の強化が国内における喫緊の課題になっています。
上記のような課題を解決する手段の一つに陸上養殖があります。陸上養殖は海面養殖と異なり漁業権が不要で参入しやすく、ICTを活用すれば養殖経験がなくても効率よく多くの魚を養殖できる可能性があるほか、廃校などの地域の未利用施設を有効に活用することができます。
NTT Comは、陸上養殖の研究開発、種苗生産などを事業とする紅仁株式会社(以下 紅仁)と2023年から沖縄県大宜味村にて行ってきた共同研究を通じ、ICTを活用した誰もが参加しやすい陸上養殖システムである本システムを開発しました。本システムを沖縄県を除く日本全国へ提供するためNTTアクアを設立し、上記課題の解決、さらには魚食文化※3の持続可能性向上にも貢献していきます。
2.事業概要
NTTアクアは紅仁と包括連携協定契約を締結し、沖縄県を除く日本全国で、これから陸上養殖事業を開始・拡大する事業者に向けて本システムの提供を開始します。まずはハタ類2種を養殖できるシステムを提供開始し、順次対象魚種を拡大していきます。
紅仁の持つ先進的なろ過技術と、共同研究を通じて現場志向で開発したNTT Comの「陸上養殖ICTプラットフォーム」を組み合わせて構築した本システムを通じ、「誰もが参加できる」陸上養殖を実現します。
【ろ過技術について】
本システムは国内の既存の循環式陸上養殖設備と異なり、細菌(バクテリア)を使わない方式を採用しているため、複数のメリットがあります。
(1)従来よりも狭い土地で陸上養殖を実現可能
一般的に飼育水槽の6~8割の面積が必要とされる生物ろ過槽※4が不要のため面積効率が非常に良く、従来よりも狭い土地で陸上養殖を実現できます。
(2)メンテナンスが容易
生物ろ過槽を使わないためメンテナンスが容易となり作業効率が向上します。
(3)高密度での養殖が可能
細菌を使わないため魚の成長に合わせて安定したろ過が実現でき、1水槽あたりの魚の密度をより高くしての養殖が可能です。
【陸上養殖ICTプラットフォームについて】
水槽の水質・水温や装置の故障を一目で把握できるダッシュボードです。陸上養殖ICTプラットフォームを活用することで、養殖経験のない人でも簡単なレクチャーを受けることで養殖することが可能となります。
<陸上養殖ICTプラットフォームの特徴>
(1)優れたUIのダッシュボード
NTTドコモが2017年から提供している海洋観測サービス「ICTブイ」のノウハウを反映しており、センサーで取得した水温、酸素、塩分濃度、pHなどの情報をダッシュボード上で簡単な操作で確認可能です。
(2)ダッシュボードを活用したNTTアクアによる養殖支援
プラットフォーム上の情報はNTTアクアが一元管理しており、異常がある際などには遠隔地からもリアルタイムで養殖事業者を支援します。
(3)チューニング済のプラットフォームを利用可能
適切な水温・水質などは魚種ごとに異なるため、養殖する魚種に応じてNTTアクアがあらかじめチューニング(水温・水質などの閾値の設定)をしたプラットフォームを養殖事業者に提供します。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_2.png
<陸上養殖ICTプラットフォーム>
3.新会社の概要
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_6.jpg
NTTアクアの最新情報は公式Webサイトをご確認ください。
公式Webサイト:https://www.ntt-aqua.com/
4.今後の展開
今後はハタ類の種苗や魚種に最適なエサの提供など、種苗から成魚の出荷まで陸上養殖事業者さまをトータルでサポートするサービスも提供する予定です。
さらに、魚の異常検知の実現に向けNTTの研究所と共同研究を行っていくほか、魚類の養殖生産を行うNTTグリーン&フードなど、関連するNTTグループ各社と連携し新たなサプライチェーンを構築することで水産業の効率化・付加価値向上を実現し、地域活性化と食料自給率向上に貢献します。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_4.png
<紅仁社と共同研究しているハタ類の様子>
*「NTTアクア」の地域活性化モデル、ビジョン・ミッション・バリュー、キービジュアル・公式Webサイトなどは、NTTコミュニケーションズの組織変革・事業創出を担うイノベーションセンターデザイン部門「KOEL」が策定・制作の支援をしています。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/418885/img_418885_5.png
https://www.ntt.com/lp/koel
※1:食料安全保障とは、国内における農作物の不作や輸入の途絶などの不測の事態が生じた場合であっても、人が生きる上で最低限必要とする食料の供給を安定的に確保することを指します。
出典 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/tv-5109.html
※2:出典 総務省ホームページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000944362.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000629037.pdf
※3:魚食文化とは、魚を獲る技術や処理、品質を評価する目利き、加工・保存の方法、調理道具や方法など、魚を中心とした食生活の中で受け継がれ、蓄積されてきた知恵や知識を総称する概念のことです。
出典:水産庁ホームページ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h19/pdf/data1-1.pdf
※4:生物ろ過槽とは、細菌(バクテリア)の働きを利用して水を浄化するためのろ過槽です。バクテリアを繁殖させることで、アンモニアなどの有害物質を分解します。
詳細はこちら
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