GPIF、次期利回り目標案1.9% 0.2ポイント引き上げ
12月2日、厚生労働省は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する公的年金資産の利回り目標を現在よりも0.2ポイント引き上げて1.9%にする案を明らかにした。都内で2018年撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)
Miho Uranaka
[東京 2日 ロイター] - 厚生労働省は2日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する公的年金資産の利回り目標を現在よりも0.2ポイント引き上げて1.9%にする案を明らかにした。好調な運用実績を考慮した。
厚労省がこの日の社会保障審議会に合わせて、2025年度-29年度の運用目標案を開示した。年金積立金の運用は、名目賃金の上昇率を上回る運用収益を確保する必要があり、実質的な運用利回りとして現在1.7%が要請されている。
利回り目標は年金の財政検証に合わせて5年おきに見直す。今後審議会で議論を進めたのち、GPIFに指示する。GPIFは、新たな運用目標を踏まえて株や債券などの資産構成の目安を24年度内に決めることになる。
GPIFが11月に発表した2024年7―9月期の運用損益は、9兆1277億円の赤字だった。収益率はマイナス3.57%。マイナス運用は23年7ー9月期以来で、国内外の金利差が縮小し円高が進んだことや、日本株の回復が限定的だったことが影響した。自主運用を始めた01年度からの累積収益額は153兆6431億円となっている。