「吉原見物」とは何だったのか?...出版文化が生んだ「聖地巡礼」に武士も庶民も女性も虜になった
現在、アニメの舞台になった場所などをファンが訪ねるのを、「聖地巡礼」という。江戸時代の人々が吉原に行きたがったのも、まさに聖地巡礼だった。
というのも、当時の出版人・蔦屋重三郎は吉原を舞台にした戯作(小説)を多数、刊行した。さらに、吉原の遊女を描いた錦絵も多数、刊行した。
蔦屋だけでなく、他の本屋(出版社)からも、吉原と遊女を題材にした戯作や錦絵が続々と刊行された。写真も映像もない時代、蔦屋などの刊行物が、地方に住む人々の吉原へのあこがれをかき立てたのである。
一度でいいから、戯作や錦絵の舞台となった吉原を実際に見てみたい――
まさに聖地巡礼だった。吉原への願望は男だけでなく、女にもあった。幕末の尊王攘夷の志士・清川八郎は、母親に吉原見物をさせているほどである。地方の裕福な家の女も刊行物を通じて、吉原への想像を膨らませていたといおうか。
蔦屋など江戸の出版社は吉原を題材にして本や浮世絵を売り、一方の吉原はそうした刊行物で人気を高めたといえよう。
外国人も吉原には興味を示した。図(編集部注:上の写真)は幕末期のレセプションホール(張見世)を描いたもの。
永井義男(ながい・よしお)
小説家、江戸文化評論家。1949年生まれ、福岡県出身。東京外国語大学卒業。1997年、『算学奇人伝』(ティビーエス・ブリタニカ/祥伝社文庫)で開高健賞を受賞。小説に『秘剣の名医』(コスミック出版)、『吉原同心 富永甚四郎』(KADOKAWA)など、多数。江戸文化批評に『江戸の糞尿学』(作品社)、『図説吉原事典』、『剣術修行の廻国旅日記』(朝日新聞出版)、『下級武士の日記でみる江戸の「性」と「食」』(河出書房新社)など、多数。
『江戸の性愛業』
永井義男[著]
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