「自転車と盆栽のまち」さいたま市で、遠隔制御ライトアップが生み出す地域活性化の種
今回パナソニックは、美術館の庭園全体に各種の照明を配置。「盆栽×宇宙」をテーマに、伝統的で温もりを感じる電球色をはじめ、四季それぞれの色彩を表現した演出、そして秋を代表する星座であるアンドロメダ座も浮かび上がる宇宙の計6シーンを各90秒にわたって表現している。これを約10分間で1ターンとして、ループ再生される。
来場者が自分でライトアップを制御できる体験型コンテンツ
今回のイベントでは、「YOI-en」を使った来訪者向けの体験型コンテンツ「YOI-iro(ヨイイロ)」も複数用意された。
そのひとつが、庭園全体を見渡す美術館2階のテラスから楽しめるパノラマ演出だ。体験者がスマートフォンで2次元コードを読み取り、アプリ内で自身の誕生日を入力すると、12色あるパターンの中から誕生日カラーが選ばれ、庭園全体のライトアップが体験者だけの特別なものとなる(20秒間)。
ふたつめが、1階庭園の入り口に配置されたメイン盆栽にプロジェクションマッピングを投影するインタラクティブ演出だ。これも体験者が2次元コードをスマホで読み取り、同じく誕生日を入力するものだが、目の前の盆栽には「おすすめの惑星への旅」という映像が投影される。同時に体験者のスマホ画面には、太陽系惑星をイメージした占い結果が表示されるというプログラムだ。
「YOI-en」ならではの仕掛けであり、盆栽が映し出す小宇宙を体感できるユニークな試みと言えるだろう。
先進デジタルテクノロジーが「地域のファン」づくりの一助に
「YOI-en」を用いたさいたま市大宮盆栽美術館のライトアップイベントについて、開発者であるパナソニック エレクトリックワークス社の青木昌広氏は、その多彩な照明演出により「新しい街の賑わいを創出し、街演出の運用支援を行いたい。何より、新たな体験価値を生む『心を動かすコンテンツ』で感動を届けたい」と語る。
これまでに「YOI-en」は、京都で2022年秋に開催されたアートイベント「NAKEDヨルモウデ2022平安神宮」や、2023年2月の「サッポロアートキャンプ」(札幌芸術の森)に導入された実績がある。直近ではインドや横浜、そして来年度中には常設での運用も予定されている。