「自転車と盆栽のまち」さいたま市で、遠隔制御ライトアップが生み出す地域活性化の種
写真はイメージです(左:Stefan Schurr-shutterstock、右:Pavaphon Supanantananont-shutterstock)
<盆栽美術館をライトアップするパナソニックの街演出クラウド「YOI-en」が、地域の魅力を増幅させる>
去る11月5日、120年の歴史を持つ世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスをその名に冠する「2023ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が、埼玉県のさいたま新都心駅周辺で開催された。
これは、今夏に開催されたツール・ド・フランスの総合優勝者をはじめ、各賞を獲得したトップ選手が参戦した本格的なロードレース。「クリテリウム」とは、市街地などにコースを設けて周回する方式のレースを言う。
今回で9回目の開催であり人気が定着したこともあって、会場には多くの自転車レースファンが詰めかけ、沿道から大きな声援を送った。接戦の末、スロベニアのタデイ・ポガチャル選手が優勝を飾った。
ただし今年の大会、ただの自転車レースではない。本格的なインバウンド回復を図るため観光庁が公募した「観光再始動事業」に採択された「SAITAMA Wheel 2023」のコンテンツのひとつでもあったのだ。
観光再始動事業の事業要件には「インバウンドに資する体験コンテンツ・イベント」とあり、注釈として「これまでに一度も開催されたことがない」と記されている。そしてこの要件を満たし、採択の決め手となったであろう「SAITAMA Wheel 2023」の、もうひとつのコンテンツがある。
さいたま市大宮盆栽美術館で開催中の、夜間特別ライトアップイベント「THE盆栽 小宇宙の旅」だ。
日本唯一の盆栽専門美術館で、初のライトアップイベント
さいたま市には「大宮盆栽村」と呼ばれるエリアもあり、日本の伝統産業であり文化でもある盆栽のメッカである。例年5月には「大盆栽まつり」が開催され、国内外から愛好家が集う。
今回の「THE盆栽 小宇宙の旅」は、ライトアップという通常とは異なる見せ方で、自動車レースをきっかけに訪れるインバウンド観光客を含め、より多くの人に盆栽の魅力を知ってもらうため企画された。日本唯一の盆栽専門美術館、さいたま市大宮盆栽美術館にとっても、初の試みとなるイベントだ。
ライトアップシステムとして導入されたのは、照明器具のリーディングカンパニーであるパナソニックの「YOI-en(ヨイエン)」である。
ライトアップは通常、現場で照明を制御する必要があるが、同社が「街演出クラウド」と呼ぶこのシステムは、インターネット経由で遠隔地から制御できる。広域・多拠点にわたる多彩な照明演出も可能な、「街あかり」のクラウド型サービスだ。