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浴衣には江戸っ子の「粋」と反骨精神が詰まっていた...文様で楽しむ「大人のゆかた」の魅力

2023年07月03日(月)10時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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左:やたら縞 右:高麗屋格子 『原由美子の大人のゆかた――きものはじめ』より 撮影:河内彩


──男柄、女柄という分け方は最初からあったのですか

最初の頃はなかったと思います。明治時代になってから、ある程度、分かれてきたようです。ほんとうの男柄は、縞(しま)、格子(こうし)なんです。

やわらかい柄は男ものではなかったはず。渦も、もとは女性のために生まれたものです。

そんなふうに見ていくと、境目は曖昧です。仕事をしている女性の方は男柄を好む方も多いですし、つい最近のことですが、女性柄の絹紅梅(きぬこうばい ※1)を男性の方がお求めになりました。

もちろん、広幅はメンズ用におつくりしているものですが、お好みでお選びいただいていいかと思います。

(※1)絹糸の間に太い綿糸を格子状に織り込み、凹凸を生み出す紅梅織の素材。高級ゆかたとされる


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左:渦巻 右:雪輪 『原由美子の大人のゆかた――きものはじめ』より 撮影:河内彩


──夏柄、秋柄という分け方はあるのでしょうか

夏柄、秋柄については、基本は夏の衣装なので、トータルで夏柄といっていいのですが、初夏(4月の終わりから5月)と初秋は変えていただくといいと思います。初夏はまだ寒い日もありますから、奥州小紋(おうしゅうこもん ※2)などがいいかと。

夏の終わりには盛夏もののように季節をストレートに感じるものや白地は寒々しく見えてしまうので、紺地に雪などは気持ちよく見えるかもしれませんね。着ようと思えば、ゆかたは11月まで着られますよ。

(※2)経糸で絣を織り出した紬のような風合いの木綿の生地「奥州紬」に、柄を染めつけたお洒落着

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