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浴衣には江戸っ子の「粋」と反骨精神が詰まっていた...文様で楽しむ「大人のゆかた」の魅力

2023年07月03日(月)10時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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『山道』寄り添う夫婦を連想させるところから縁起柄とされる松の葉をモチーフに、ジグザグ登る山道をデザインした手ぬぐい。昔は長板中形で染められていたが、現在は平木綿を用い、注染で染めている。『原由美子の大人のゆかた――きものはじめ』より 撮影:河内彩


──手ぬぐいについても教えてください

ゆかたと並んで、忘れちゃいけないのが手ぬぐいですね。もともと、ゆかたは、最高峰の技術といわれる長板中形でつくっていました。

たとえば、定番柄の「山道」。柄を繰り返し、つなげたものがゆかたになりますが、三尺(90センチ)ぐらいで切ると、手ぬぐいになるんです。手ぬぐいの長さは、用途によって多少異なります。


本文構成:渡辺紀子


竺仙(ちくせん)
天保13年(1842年)創業。屋号は、初代・仙之助の背が低く、「ちんちくりんの之助」という愛称で呼ばれていたことから、それを縮めて命名。「粋ひとがら」を標榜し、粋の表現こそ時代によって異なるが、常にトップリーダーとして業界を牽引し続けている。当代は五代目・小川文男。

原 由美子(はらゆみこ)
慶応義塾大学文学部仏文学科卒業後、1970年に『アンアン』創刊に参加。仏・ELLEページの翻訳スタッフを経て1972年よりスタイリストの仕事を始める。以後『婦人公論』、『クロワッサン』、『エルジャポン』、『マリ・クレール日本版』、『フィガロジャポン』、『和樂』など数多くの雑誌のファッションページに携わる。着物のスタイリングでも雑誌や新聞などの執筆、ファッションディレクターとしても活躍。著書に『きもの着ます。』(文化出版局)、『原由美子の仕事1970↓』(ブックマン社)、『フィガロブックス 原由美子のきもの暦』『フィガロブックス 原由美子のきもの上手 染と織』(ともにCCCメディアハウス)などがある。


  『老舗呉服店 竺仙のゆかた柄100選レターブック
  竺仙[監修]
  芸術新聞社[刊]


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 『原由美子の大人のゆかた――きものはじめ
  原由美子[著]
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