最新記事
シリーズ日本再発見

「誰にも負けたくない」...いつも「自然体」なヨシダナギが、笑顔の裏に秘める「信念」

2023年03月13日(月)10時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

nagi10-20230310.jpg

撮影後のコミュニケーションも大切な時間 提供:ヨシダナギ

たしかに人よりは躊躇(ちゅうちょ)なく何でも口に入れられるほうだが、そんな私でも、それなりに「あー......」と思っていることはあるのだ。たとえば、ナミビアでカブトムシを出されたときは、実は本当はキツかったのだ(ヤツは苦手なフォルムなのだ)。

とはいえ絶対に食べられないわけではないから、表情に出ていなかったのかもしれない。本当に苦手なものだったら、さすがに顔に出ているはずだ。

ただし、そういう場合でも、なるべく眉間に皺を寄せないようにしている。それは現地の人への敬意もあるし、食べる前から嫌そうな顔をするよりも、食べた後で「わー、気持ち悪いねぇ、これ」と、笑顔でヘラヘラしながら言ったほうが圧倒的に、受け入れてもらいやすいからである。

だから、心の中では「さすがにこれはヤバいな」と思うようなシロモノを出されたときでも、できるだけ顔には出さずに、ニコニコしながら口に運ぶようにしている。

つまり、これは見栄だ。それ以外の何物でもない。「何でも食べるヤツ」として面白がられているのに、「実はそうでもない」というレッテルを貼られたくないだけなのだ。

実は、私はかなりの見栄っ張りだと思う。〝ひとりでアフリカの少数民族に会いに行って、彼らと同じ格好になるために脱いでいる〞という経歴のせいで、なぜだか「自然体」のように思われている気がするのだが、それとは対極にいる女、それがヨシダである。

明らかに自分が不得意とする部分に関しては素直に「できない」と即答するが、もともと「ココだけは他人よりも長(た)けているだろう」と思われている部分については、絶対に弱いところは見せられない。むしろ、見せたくない。なぜなら、人よりもできる部分が限られているからだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、USスチール買収巡り新たな審査を当局に

ビジネス

米国株式市場・午前=一時切り返す、トランプ関税の9

ワールド

マスク氏は「自動車組み立て業者」と米大統領顧問、「

ワールド

日本は貿易交渉に「トップチーム」派遣、トランプ氏 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    フジテレビが中居正広に対し損害賠償を請求すべき理由
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 9
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 10
    ユン韓国大統領がついに罷免、勝利したのは誰なのか?
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中