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東京近郊の新・チャイナタウンで未知の中華料理に出会う
一方、観光地化されてきているが、中国人が足繁く通うチャイナタウンとして有名になったのは、池袋北口エリアだろう。東武百貨店がある西口の脇にひっそりとある北口を地上に出ると、中国語が聞こえてきて、チャイナタウンに足を踏み入れたことを実感できる。ここには中国料理好きな日本人の間で有名な東北料理店『永利』や、同じく東北料理の『東方紅』、羊やウサギの丸焼きが豪快に堪能できる『聚福楼』など、数えきれないほど数多くの有名中国料理がある。いずれも新華僑が開いた店で、横浜や神戸の中華街と違い、ふだん使いの中国料理だ。
貴州名物の鍋料理 (筆者撮影)
池袋北口で中国料理店を営んでいるのは在日中国人であり、従業員として働いているのも在日中国人。顧客の多くも在日中国人だ。郊外にある地元密着のチャイナタウンとは異なり、池袋は東京を代表する大繁華街。しかし、日本人の割合は新宿歌舞伎町などと比べると少ないと感じる。池袋で働く在日中国人の中には、JRで20分程度で行ける西川口や蕨(わらび)などに住んでいる人も多い。そのほか、高田馬場~早稲田エリア、横浜市南区、千葉市などにも中国人の胃袋を支える中華料理店は増えている。
在日中国人に取材してみると、「来日したとき、新宿や池袋の日本語学校に通った。そのときからこの辺に住んでいたので馴染みがある。だから、新宿~川口(埼玉)までの埼京線や京浜東北線の沿線に住み着く人が多いのだと思いますよ。その結果、自然とここに中国人のためのチャイナタウンができあがったのでは......」という話だった。
中国人が住むところに必ず中国料理店あり――。これから在日中国人の人口がますます増えていく中で、さらにいくつもの新・チャイナタウンができてくるのかもしれない。